森友・加計学園問題や「桜を見る会」私物化疑惑などを通じ、安倍首相個人や現政権への不信感を募らせたという意見も多かった。それと同様に目立つのが、世界中がコロナ禍に見舞われている最中に法案を採決しようとしたことへの違和感の表明だ。

「非常事態宣言時には感染症対策を疎かにし得るような審議をすべきでない」(42歳女性)
「わざわざこのコロナウイルスの最中に、短時間で議論し、採決しなければならないことでしょうか。不要不急ではない理由は?」(55歳男性)

 その“理由”として、今年1月に閣議決定された黒川弘務・東京高検検事長の異例の定年延長との関係を指摘する声が多く挙がった。

「現在の法解釈を曲解して黒川氏の定年延長を決定したことへの法的な後ろ盾を形成する意図があると捉えられるのが、通常の国民感覚である」(42歳男性)
「新型コロナウイルス対応に注力すべき本国会で当法案を性急に議論、議決すべき理由は(黒川検事長のグレーな定年延長を正当化したい、くらいしか)見当たらない」(54歳男性)
「今、法案化の中で議論している、内閣が特例で定年延長する『基準』の前に、既に行われた黒川検事長の定年延長をどういう判断で行ったのかをもっと問いただすべきだと思います」(65歳男性)

◆ネット世論が盛り上がった背景

 約86%に上る「容認できない」に対し、同法案を「容認できる」と回答した約14%の意見で目立つのは「高齢社会のいま、定年延長に何の問題があるのか」(33歳男性)といったものや、「反対意見はなぜか感情的なものが多い」(45歳男性)などだった。また、検察自体への不信感も散見された。

「検察は村木厚子さんの件など過去の冤罪事件を見ればわかる通り、絶対正義ではない」(40歳女性)
「起訴後の有罪率がほぼ100%である日本の司法において起訴する権利を検察に独占させていることが問題であり、そちらを批判するということであれば納得できる」(33歳男性)

 嘉悦大学の高橋洋一教授は「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグが広がっていた5月10日、そうした動きに苦言を呈する立場から、「法案を読めば、検察官だけではなく公務員全体の定年延長の話。公務員の定年は年金支給開始年令に連動したもので、定年引き上げは20年くらいからの既定路線。というと、法務省人事の問題という声もあるが、法案には人事なんてどこにも書いてない」とツイート。法案に賛同する層から一定の支持を集めている。

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