芸能界ではこの夏以降、7月18日に三浦春馬さん(享年30)、9月14日に芦名星さん(享年36)、同20日に藤木孝さん(享年80)、そして同27日に竹内結子さん(享年40)と、自殺とみられる訃報が続いている。かつてない異常事態に「憧れの華やかな芸能界で何が起きているのか」──そういぶかしむ声が上がるのも当然だろう。
新型コロナウイルスにその一因を求める声は多い。感染拡大防止のため、多くのドラマや映画などの撮影・放送は中止および延期になった。テレビ局の編成担当者が嘆く。
「放送できるドラマ枠には限りがあります。すべての作品が延期できるわけはなく、“この作品は延期、この作品は中止”という選択を迫られます。主演級の俳優にとっては“俳優の序列”が如実にわかるというシビアな状況です」
芸能ジャーナリストの二田一比古さんが言う。
「端役の人は“仕方ないかな”と割り切れても、主役を張るような役者ほどプライドがあって、焦燥感は強い。ある旧知の有名俳優は“最近テレビを見ないようにしている”と言っていました。“自分の仕事は消えたのに同世代の俳優さんが出ていると比較して非常に落ち込むから”だそうです」
トップ女優の竹内さんだが、今後のドラマや映画の予定はなかったという。「同じく子育て中の篠原涼子さん(47才)や上戸彩さん(35才)がコロナ禍でもうまく仕事をこなしているのを見て、向上心の強い竹内さんが平然といられたかどうか」(芸能関係者)と見る向きは少なくない。
「特に有名俳優は、“ドラマがないならバラエティーや情報番組に”と安易に出るわけにもいかないつらさがある。竹内さんも三浦さんも芦名さんも、いずれもそういうタイプだった」(前出・芸能関係者)
芦名さんの場合、4月に給料制から歩合制に変わったといい、下着姿のグラビアにも挑戦し始めたところだった。
ドラマ制作費は来期から半分に
だが、芸能界の抱える問題はコロナだけではないところに根の深さがある。
「今年のテレビ局の収益は壊滅的といっていい。昨年から半減する見込みです。ただ、コロナが引き金になっただけで、仮にコロナがなくても、こうなるのは時間の問題でした」(広告代理店関係者)