東大大学院棋士「プロがダメなら研究に励めばいい」

 奨励会活動を続けながら、現役で東大理科一類に入学し、その後東大大学院に進み、2020年に大学院生のままプロ棋士となった谷合廣紀四段(27)も注目棋士の一人である。

谷合廣紀四段(写真提供/日本将棋連盟)

谷合廣紀四段(写真提供/日本将棋連盟)

 現在も同大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程に在籍中だ。順位戦はC級2組で、今年度は20勝14敗(勝率0.6000)と好調だ(3月8日対局分まで)。東大出身のプロ棋士としては片上大輔七段以来2人目で、2018年にはプログラミング関連の著書も出している。

 谷合四段がプロ棋士になったのは26歳の時。奨励会の年齢制限ギリギリだった。精神的にずいぶんと追い込まれていたのではないだろうか。そんな疑問に対し、『プレジデントオンライン』のインタビュー記事(2020年9月17日)でこう答えている。

〈年齢制限が近づいてきたとき、多くの人は追い込まれるものなのですが、私はもしもプロになれなかったら、研究に励めばいいかと考えていました〉

 研究というもう一つの軸があったことで、年齢制限が迫る中でも追い込まれずに済んだというのである。

現在も東大大学院に在籍中の谷合廣紀四段(写真提供/日本将棋連盟)

現在も東大大学院に在籍中の谷合廣紀四段(写真提供/日本将棋連盟)

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