輝かしいランドマークもいずれ「お荷物的存在」に

 実のところ、デベロッパー側もそういった需要層のマインドをよく理解している。

 駅弁タワマンを盛んに開発分譲しているのは、地方に強い大手ハウスメーカーだったりする。彼らは高額な予算で自宅を建てた優良顧客の名簿を所有している。その名簿を営業活動に使えば、高額なタワマンの販売もスムーズに進むというわけだ。

地方のタワマンは老朽化すれば売却困難に(写真はイメージ)

地方のタワマンは老朽化すれば売却困難に(写真はイメージ)

 しかし、駅弁タワマンが輝かしいランドマークである期間はそう長くはない。タワマンといえども老朽化する。購入した地方の名士や開業医たちも高齢化する。

 そして、セカンドハウスとしてさえ使わなくなった駅弁タワマンを売却しようとしても、買い手を見つけるのはそれほど簡単ではない。

 タワマン好きな人種は、ある意味で見栄っ張りである。新築時にキラキラ輝いているタワマンには高額な費用を投じることは厭わない。しかし、築20年も過ぎて萎れかかってきたタワマンには、高額なお金を払うほどの魅力を感じないかもしれない。

 新築時から30年もすると、購入者たちにも相続が発生する。駅弁タワマンを相続した人が、新築時の購入者と同じような価値観を持っているとは限らない。しかも、その地域に住んでいないとセカンドハウスとしても使いにくい。

 いざ売却するにしても、東京ほど市場の流動性はない。つまり、買い手はすぐに見つからない。

 結局、本来の「住むため」という需要のために供給されたわけではない駅弁タワマンは、半世紀を経ずして相続者や地域のお荷物的な存在になり果てるのではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高橋一生と飯豊まりえ
《17歳差ゴールイン》高橋一生、飯豊まりえが結婚 「結婚願望ない」説を乗り越えた“特別な関係”
NEWSポストセブン
西城秀樹さんの長男・木本慎之介がデビュー
《西城秀樹さん七回忌》長男・木本慎之介が歌手デビューに向けて本格始動 朝倉未来の芸能事務所に所属、公式YouTubeもスタート
女性セブン
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
雅子さま、紀子さま、佳子さま、愛子さま 爽やかな若草色、ビビッドな花柄など個性あふれる“グリーンファッション”
女性セブン
有村架純と川口春奈
有村架純、目黒蓮主演の次期月9のヒロインに内定 『silent』で目黒の恋人役を好演した川口春奈と「同世代のライバル」対決か
女性セブン
芝田山親方
芝田山親方の“左遷”で「スイーツ親方の店」も閉店 国技館の売店を見れば「その時の相撲協会の権力構造がわかる」の声
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
小泉氏は石破氏に決起を促した
《恐れられる“純ちゃん”の政局勘》小泉純一郎氏、山崎拓氏ら自民重鎮OBの会合に石破茂氏が呼ばれた本当の理由
週刊ポスト
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン