グリーズマンとデンベレは2019年にスペインのFCバルセロナのメンバーとして来日。日本人差別発言は、そのときのものと言われている(時事通信フォト)

グリーズマンとデンベレは2019年にスペインのFCバルセロナのメンバーとして来日。日本人差別発言は、そのときのものと言われている(時事通信フォト)

「彼らは本心が違う限り謝ってはいけない。本音と矛盾するからね、だから口先でも日本人の考えるような謝罪はしないんだ。これはフランス人に限らないけどね」

 確かに、日本人はサッカーでも試合でミスをすると仲間に謝ったりするが、フランスに限らず一神教の国のサッカー選手の多くは日本的な謝罪なんてしない。自分が決定的なミスをしても残念と思うが謝ったりはしない。問い詰めても天を指すか、言い訳に終始する。もしくは笑って誤魔化す。チャレンジした自分を称えるべきで、他人に謝る必要はない。謝ることは自分を否定することにつながる。

「神が違うんだから、根本的なところで違うんだよ、それは仕方がないね。そういう人たちとしてこちらも扱うしかないんだ。サッカーだけの話じゃないね」

ヘイトを親しみと勘違いしてるんじゃないかな

 フランス在住と称する著名な二人の日本人が、デンベレもグリーズマンも口は悪いが差別ではないと擁護しているがどうなのか。先生に当該ニュースサイトのアドレスをメールして改めて聞いてみる。

「いや間違いなく差別だよ。典型的な黄色人種を小馬鹿にするときの罵りだね。これが差別じゃないと思うなら、よほどフランス語ができないか、日ごろ言われ続けて麻痺してるか、ヘイトを親しみと勘違いしてるんじゃないかな」

 なるほど、確かにフランス人をはじめイギリス、スペインなど主要国が差別的だったと報じているのにおかしな話。ネイティブが言っているのに。数年住んでいるだけの日本人のフランス語解釈を信じる人も少ないだろう。

「生半可に移住するとさ、その国を選んだ自分を否定したくないから認知の歪みを起こしやすくなるんだよ、留学したての若者にありがちだね」

 留学したての若者ではなく中年のおじさん二人なのはともかく、このタイプの著名人にありがちな「出羽守」というやつか。赤塚不二夫の代表作の一つ、小学生の6つ子を中心としたドタバタが描かれるギャグ漫画『おそ松くん』に登場するイヤミの「おフランスでは~」というギャグは昭和期の日本人の西欧コンプレックスを見事に揶揄していた。それは21世紀、大人になった6つ子たちを描くアニメ『おそ松さん』でも健在だ。

「フランスを嫌いになってからがスタートだね。心酔しているうちはお客さま。フランスの悪口言って、パリに悪態ついて、フランス大嫌いって状態になってもフランスに住んでパリが好きなら立派なパリジャンかもね。変な擁護しているうちはまだまだ」

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