日本の高校生は「練習やりすぎ」

 身長は、日本ハム入団時にすでに193cmあった。

「体のフレームは、お父さん、お母さんからの授かりものです。アメリカでは『ギフテッド』という言葉を使いますが、文字通りの“贈り物”。今までの日本の育成を見ると、高身長の選手を育てるノウハウがなかったと感じます。

 ひとつの例を挙げれば、高校野球で過度な走り込みをさせて、ヒザを壊してしまう。まだ体ができていない選手にそんなことをさせたら、壊れるのは当たり前。そもそも、野球に必要なのは一瞬で力を発揮する体の使い方であって、持久系はほどほどでいい。

 よく言っているんですけど、『メジャーリーガーが、日本の強豪高校の冬トレに参加したら、1週間でぶっ壊れる』と。大谷選手は、体作りをしっかりと考えてくれる花巻東で育ったことが、今の活躍につながっているはずです」

驚異的なパワーで32号本塁打を放つ大谷翔平(時事通信フォト)

驚異的なパワーで32号本塁打を放つ大谷翔平(時事通信フォト)

 花巻東の佐々木洋監督は、大谷選手の身長がまだ伸びていることを考慮して、過度なトレーニングをさせなかった。全身の柔軟性やバランスを整えることに時間を注いだ。

 根鈴氏自身は、小学6年時に170cm・80kgと堂々たる体格を誇っていたという。しかし、典型的な早熟タイプで中学2年時には身長がストップ。プロレスが好きで、強く大きな体に憧れを抱いていたこともあり、ジムでウエイトトレーニングにのめりこんだ。ボディビルダーが愛読する専門誌を読み漁り、プロテインの重要性も知った。

 しかし、当時の高校野球は長時間練習が当たり前で、走る量も多い。せっかく作った筋肉が、目に見えて削られていく。「練習の合間にプロテインを飲ませてほしい」と監督に訴えたが、受け入れてもらえなかった。今は練習中の補食が当たり前の時代になった。それでも、「体のことを考えたら、日本の高校生は練習をやりすぎ」という想いがある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
《大谷は誰が演じる?》水原一平事件ドラマ化構想で注目されるキャスティング「日本人俳優は受けない」事情
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害男性は生前、社長と揉めていたという
【青森県七戸町死体遺棄事件】近隣住民が見ていた被害者男性が乗る“トラックの謎” 逮捕の社長は「赤いチェイサーに日本刀」
NEWSポストセブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
パリ五輪への出場意思を明言した大坂なおみ(時事通信フォト)
【パリ五輪出場に意欲】産休ブランクから復帰の大坂なおみ、米国での「有給育休制度の導入」を訴える活動で幼子を持つ親の希望に
週刊ポスト