“不倫報道”で差し替え
リストの選挙区にはすでに候補者の差し替えが決まったところもある。「京都6区」の安藤裕・元復興政務官(3回生、麻生派)はコロナ対策として「3年間消費税ゼロ」を提唱していたが、地元タレントとの不倫疑惑が報じられると(本人は報道を否定)、自民党京都府連は「支援できない」と通告、公認候補を元代議士の清水鴻一郎氏に交代させた。
さらに「大分1区」では、国会参考人として受動喫煙について意見陳述していた肺がん患者に対し、「いい加減にしろ」とヤジを飛ばして厳重注意を受けた現職の穴見陽一氏(3回生、細田派)が引退を決め、後任候補には、新人で甘利明氏の“番記者”だったという触れ込みの高橋舞子氏が決まった。有力政治家はこうして子分を増やしていく。
「埼玉7区」では、石破派の現職・神山佐市氏(3回生)と二階派の新人・中野英幸氏(県議)が公認を争い、二階氏の裁定で中野氏が選挙区、神山氏は比例代表に回ることになった。派閥の都合で候補を差し替える有権者無視のやり方だ。
※週刊ポスト2021年10月15・22日号