ベテランとしては異例の「4打席目の高打率」
今季、青木は39歳を迎えたが、2割5分8厘という打率だけで衰えたと見るのはあまりに早計だ。
「進塁打をバントに置き換えれば、打率はもっと上がっていたはずです。また、ベテランになると体力が落ちるため、先発時の4打席目の数字が悪くなる傾向がありますが、青木は3割5厘と1、2、3打席目よりも打っています」
他のベテラン選手の4打席目を見ると、球界最年長44歳の福留孝介(中日)は1打席目3割だが、2割5分8厘と下がる。40歳の糸井嘉男(阪神)は犠飛を1つ記録しているが、7打数7三振。今シーズン限りで引退する亀井善行(巨人)は1割7分4厘。パ・リーグでは38歳の松田宣浩(ソフトバンク)が1割7分5厘、同じく38歳の中村剛也(西武)が1割8分1厘と4打席目を苦手とする打者が目立っている。
「かつて長嶋茂雄や王貞治は生涯打率が3割を切る前に引退を決断したとも言われています。時代が変わって、生涯打率の話題はさほど出なくなりましたが、名誉な記録に変わりはない。そこにこだわらない青木の姿勢はもっと称賛されていいでしょう」
CSの2試合で6打数1安打だが、もし2つの進塁打がバントなら4打数1安打。数字の上では損をする、目に見えない貴重な役割をベテランが果たす。ヤクルトは強くて当然なのかもしれない。