そして、10月に新総理となった岸田文雄氏。岸田首相は、総裁選時、母方のみに天皇の血筋を持つ「女系天皇」には否定的な立場を明言。また、女性天皇については明確な回答を避けてきた。岸田首相であり続ける限り、愛子天皇実現のハードルは高いのだろうか。
「岸田さんの総裁選時の発言を額面通りに受け取るべきではありません。実は岸田さんは、歴史上で前例のある女性天皇は許容してもいいのではないかという考えです。女性天皇実現に舵を切る可能性は低くないと考えています」
とは、さる政治ジャーナリスト。
「総裁選当時は、保守政党の自民党のトップにならないといけませんでした。女性・女系天皇に消極的な態度を取るのは、勝つためには当たり前です。当時は、安倍氏の威光が強かった部分もあった。
しかし、岸田首相の閣僚人事を見るに、“安倍離れ”を強く感じます。来夏の参院選で一定の結果を残せば、安倍氏らの影響力を排除した長期政権も見えてくる。そうなれば、世論にいちばん近い『女系天皇はNG、女性天皇はOK』という議論を始める可能性は高いでしょう。愛子天皇実現に大きな一歩となります」
愛子さまが成人されるいま、決断のときは迫っている。なにより両陛下が愛子さまの将来を案じておられるだろう。
「今年2月の誕生日会見で陛下は、『結婚のことも含めて、いろいろ将来のことも話し合う機会というものがあるかと思います』とお話しされています。具体的な相談を進めていただくためにも、政治が議論を先延ばしするわけにはいかないでしょう」(前出・宮内庁関係者)
岸田首相は、かねてから「聞く力」をアピールポイントとしてきた。いまこそ、世論の、そして皇室の声に耳を傾ける最後のチャンスかもしれない。
※女性セブン2021年11月25日号