「自分の周りで起こる出来事の一つひとつ、すべてが『学問』だと思ってください」

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 六星占術によって一躍、人気占い師になった細木さんは、2000年代に入ると、活躍の場をテレビにも広げていく。特に2004年から放送が開始された『ズバリ言うわよ!』(TBS系)はゲスト出演者に対する歯に衣着せぬ発言が好意的に受け止められ、同時間帯の番組の中で視聴率1位をキープし続けた“お化け番組”だった。一大ムーブメントの理由を精神科医の和田秀樹さんはこう分析する。

「多くの占い師は『運気を上げるためにはこうすべき』など前向きなことを言うのがセオリーで、少なくとも“死ぬわよ”“地獄に落ちる”といった発言はまずしません。

 しかし、出演者がみんなうまくいくと占われても、視聴者は面白くない。相手が有名人だろうとお金持ちだろうと、おもねることなくズバッと言い放つ。そんな細木さんの姿はパワフルで魅力的に映ったのだと思います」

 多くの人の心を惹きつけた理由はそれだけではない。視聴者たちは細木さんの言葉を自身への“戒め”とも受け止めていた。

「『油断大敵』『勝って兜の緒を締めよ』という格言があるように、日本人にはいいときこそ気を引き締めなければいけないと考える気質がある。細木さんの厳しい言葉はITバブルを経験した当時の“叱られたい”“釘を刺されたい”という人の心理をぐっと掴みました」(和田さん)

 牛窪さんも時代の機運とマッチしていたと話す。

「いまでこそ、先祖供養の大切さは当たり前のように受け入れられていますが、バブルの前後は、西洋的なリゾート開発も進み、古い物を大切にする日本古来の考えよりも、新しい華やかな文化を重んじる時代でした。その後の長い不況の中、方向性が見えないときに、忘れかけていたお墓参りや礼儀作法の重要さを説き、かつ強烈な言葉で指針を示してくれるからこそ、彼女が注目されたのだと思います。

 不安な時代にあって、誰かに『それはやっちゃダメよ』とはっきり言ってほしいというニーズがあった。特に細木さんは離婚や水商売も経験し、人生経験が豊富だったのも受け入れられた理由の1つだと思います。

 また、こうしたムーブメントが、後の『オーラの泉』(テレビ朝日系)の江原啓之さんや、パワースポットなどスピリチュアルなブームが浸透するきっかけを作ったと言えます」(牛窪さん)

※女性セブン2022年1月1日号

占い師として異端の存在だった

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「先祖を供養するということは、同時に報恩・感謝の心を持つということ」

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「私の占いに1つもはずれはない。ただし悪い予言は良い予言に変えられる」

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「衣食住がきちんとしていれば、占いなんか必要ない」

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