菅直人氏は「ヒットラー投稿」への反発に対して、謝罪要求に応ずるつもりはない」としている(同氏のTwitterより)

菅直人氏は「ヒットラー投稿」への反発に対して、謝罪要求に応ずるつもりはない」としている(同氏のTwitterより)

毎度火を噴く「失策データベース」

 しかし、野党支持者が作るこの手の「#○○を支持します」「#○○を許しません」的ハッシュタグはすぐにアンチ勢力に悪用され、野党議員たちの過去の失策が次々と貼られる状態となる。それはもはやネットの伝統芸だ。

 そして、こうした時にクローズアップされるのが、立憲民主党のベテラン議員たちの行状なのだ。アンチの中には完全に2009年の政権交代選挙以前からウォッチャーとなっている者が多数おり、彼らの中には立憲民主のベテラン議員たちの失策データベース的なものが完成しているのである。「悪夢の民主党政権」と安倍氏がしきりと言っていたが、毎回これらの件が蒸し返される。疑惑レベルのものでもおかまいなしに叩かれる。

「蓮舫氏マジコン疑惑」「菅直人氏、『僕の方が原発に詳しい』&東電恫喝」「鳩山由紀夫氏、お母さんから月1500万円の“こども手当”」「原口一博氏、自衛艦はグーグルアースかなんかを見れば分かる発言」「枝野幸男氏、原発事故の際『直ちに問題はない』発言連発」……。

 また、鳩山由紀夫・元首相は、政界引退後も韓国で土下座をしたり徹底的に親中韓発言を続けたため、ウォッチャーたちから叩かれ続け、 OBであろうとも立憲民主叩きの材料となっている。蓮舫氏に至っては、オリンピック等の国際大会で日本選手が優勝した際にツイッターで祝意を示すと「2位でもいいんじゃないですか?」と毎度突っ込まれる。

 こうなる理由の一つは、立憲民主党があまりにもSNS及びネットの意見に振り回されているからではないだろうか。私は初のネット選挙解禁となった2013年の参議院選挙と、2014年の衆議院選挙で、当時の民主党関係者からネット関連の対策への助言を求められたことがある。ネットこそこれからの時代に国民の意見を聞き、それを政策に反映させる重要ツールだと捉えていることは分かった。

 だが、立憲民主党にぜひとも改めてもらいたいことがある。議員も秘書も職員もSNSの支持者の意見を極めて重視しているのか、その意向に沿った政策を打ち出したりすることがあるが、それはやめた方がいいのだ。ハッキリ言うと、立憲民主党はネットの見過ぎなのである。

 そのきっかけとなったのは、鳩山氏がツイッターを始めた時にすぐさまガチャピンを抜き、日本一のフォロワーを集めたことではないだろうか。そこで、人気があると思い込んでしまった。だからこそ、当時の内閣メンバーや中堅を中心にツイッターで積極的に発言するようになった。そうして今になって、上記のような「失策データベース」が火を噴くのである。

 ツイッターを積極的にやっていなかった藤井裕久氏や仙谷由人氏といった大重鎮には、アンチ民主党の人々もあまり何も言えないし、そもそも彼らはネット上での存在感が低かった。さらにはベテランとはいえ、あからさまな親中韓姿勢を見せない馬淵澄夫氏、前原誠司氏、岡田克也氏らはつけ入るスキを作らなかった。

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