ビデオ会議システムを使い、コーチ陣から指導を受ける森敬斗(DeNA球団提供。時事通信フォト)

ビデオ会議システムを使い、コーチ陣から指導を受ける森敬斗(DeNA球団提供。時事通信フォト)

 森は昨年、前半戦終盤に初めて一軍に昇格すると、ラスト4試合は全て先発出場し、2試合でマルチ安打を記録。東京五輪開催による中断明けの後半の開幕戦でも『2番・遊撃手』で起用され、猛打賞を放った。その阪神との3連戦で13打数5安打と爆発し、そのまま大和からポジションを奪うかと思われたが、その後は当たりが止まって控えに回った。

「オープン戦でどのくらいアピールできるかも大きい。イチロー、城島は3年目にオープン戦の最優秀選手(花のパ・リーグ大賞)に選ばれています。イチローは3割4分5厘、2本塁打、城島は4割1分7厘、6本塁打と打ちまくって、開幕スタメンをモノにした。西岡は5盗塁して足で魅せました。前年のロッテはチーム全体で49盗塁でリーグ5位だったため、そのインパクトは大きかった。2005年、高卒3年目の西岡がレギュラーに定着して41盗塁でタイトルを獲得し、チームの盗塁数も101と倍増。ロッテは31年ぶりの日本一に輝いています」

 DeNAは昨年、チーム全体で31盗塁とリーグ最下位。盗塁王の阪神・中野拓夢の個人成績30と1つしか変わらなかった。近年、同じような状態が続いている。そんなチーム事情もあり、首脳陣は機動力不足を解消してくれそうな森の成長を望んでいるだろう。

「右打席一本だった松井稼頭央はキャンプから取り組んだ左打席でも結果を残して、東尾修監督が開幕前に『50盗塁達成で100万円の特別ボーナスをポケットマネーで出す』と宣言するほど入れ込みました。そして、見事に最終戦で50盗塁を決めた。このようなプレッシャーのかかる場面を東尾監督が作り出して、乗り越えさせたことが翌年以降の連覇に結び付いた面もあるでしょう。三浦大輔監督も、森に何かしらのニンジンをぶら下げても面白いかもしれません」

 若手野手のブレイクは、そのままチームの躍進につながる。高卒3年目の森がブレイクすれば、DeNAのチーム成績も大きく向上しそうだ。

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