国内

高市早苗・政調会長が“暴走” 安倍晋三元首相の後ろ盾失い更迭の危機

高市早苗・政調会長は今後どう動くか(時事通信フォト)

高市早苗・政調会長は3月17日に官邸で岸田首相とサシで会談したが、今後どう動くか(時事通信フォト)

 オミクロン株の再拡大にウクライナ情勢の深刻化と、岸田文雄・首相にとってまさに内憂外患の状況だが、足元の自民党内にも頭の痛い問題を抱えている。

 昨年の総裁選で善戦したライバル、高市早苗・政調会長が政権の足並みを乱す“暴走”を始めたことだ。

 岸田首相と茂木敏充・幹事長の主導で打ち出した「トリガー条項」凍結解除(ガソリン減税)の検討について、高市氏は「私には連絡はない。幹事長だけで内容を決められることではない」と反発したかと思うと、やはり岸田・茂木ラインで公明党と合意した年金生活者への5000円給付を「この話はなくなった」と白紙化。

 茂木氏がなだめるために党4役を集めて「お茶会」を開くと、会見で「お茶会というのでアフタヌーン・ティーのようなお紅茶やケーキが出てくるのかなと思ったら、ペットボトルのお茶が置いてあって驚いた」と言い放って関係修復を“拒否”して見せた。

「高市さんは総理と茂木幹事長だけで政策の重要事項を決め、政策責任者の自分が蚊帳の外に置かれていることが我慢できない。だから主導権を取り戻すために茂木さんを標的に戦闘開始した」(自民党政調関係者)

 その怒りのパワーは上司の総理総裁にも向けられている。高市氏は3月17日に官邸で岸田首相とサシで会談。「党内手続きを尊重するように申し入れた」(同前)とされる。

 すると岸田首相は自民党役員会(3月28日)で、わざわざ「党が採用する議案は政調会の議を経る」と書かれた党則の条文を読み上げ、高市氏の政務調査会主導で緊急経済対策をまとめるように指示した。

 これではまるで先生が生徒に“反省文”を読み上げさせられたようなものだ。だが、そんな総理も幹事長も眼中にないような高市氏の振る舞いを、「焦りの裏返し」と指摘するのは政治ジャーナリストの藤本順一氏だ。

「高市氏は後見人の安倍晋三・元首相が自分と距離を置いていることに危機感が強い。岸田首相とすればトリガー条項の凍結解除は国民民主を取り込んで野党分断を図る狙いがあり、5000円給付は公明党との選挙協力の見返り。いずれも参院選対策に必要だった。だから高市氏の批判の裏に安倍氏の意向が働いているのではないかと心配して安倍取り込みを図った」

関連キーワード

関連記事

トピックス

氷川きよしが独立
《真相スクープ》氷川きよしが事務所退所&活動再開 “独立金”3億円を払ってでも再出発したかった強い思い
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
宮沢りえの恩師・唐十郎さん
【哀悼秘話】宮沢りえ、恩師・唐十郎さんへの熱い追悼メッセージ 唐さんの作品との出会いは「人生最高の宝物」 30年にわたる“芸の交流”
女性セブン
5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
初となる「頂上鼎談」がついに実現!(右から江夏豊、田淵幸一、掛布雅之)
【江夏豊×田淵幸一×掛布雅之の初鼎談】ライバルたちが見た長嶋茂雄秘話「俺のミットを“カンニング”するんだよ」「バッターボックスから出てるんだよ」
週刊ポスト
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン