ゼレンスキー大統領は「自由のために戦い、勝利する」と話す(写真/アフロ)

ゼレンスキー大統領は「自由のために戦い、勝利する」と話す(写真/アフロ)

 どういうことか。福山さんが続ける。

「中国やロシア、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルは、すでにアメリカ本土を射程としているといわれますが、彼らとて軍事大国のアメリカを刺激したり、敵に回したくはない。そうなると“戦場になるのはアメリカではなく、日本”ということになるのです」

 まず心配なのは、いま暴走しているロシアであることは間違いない。同国にとって、ウクライナは領土の西側の端にあたる位置にある。では東側の端といえば、それは日本だ。ウクライナはロシアとの間にクリミア半島の領有権という領土問題を抱えていたが、同じく日本も北方四島の不法占拠という領土問題が存在し、長年にわたり未解決のまま。ウクライナと日本は、とても近い境遇にあるのだ。

 実際、ロシアも日本を目障りな存在と思っているようだ。ロシア国防省は4月14日と5月6日に相次いでミサイル発射演習を行ったと発表。いずれも正確な発射位置や着弾地点は未確認だが、ロシア側は「日本海」でのことだと主張している。これは経済制裁などを強める日本やアメリカなど西側諸国をけん制するほか、日本を威嚇する目的があるとみられる。

 同じく「北朝鮮からミサイル発射」というニュース速報を目にする機会も増えている。こちらも活発な核開発が予想され、アメリカのサキ大統領報道官(当時)は5月12日、「北朝鮮が早ければ月内にも核実験の準備を完了させる可能性がある」と述べた。

 中国も油断ならない。ストックホルム国際平和研究所の調査ではアメリカ、ロシア、イギリス、フランスに続く大量の核を保有。しかも、その数は年々増加している。改めて見回せば、日本は複数の周辺国から銃口をつきつけられている状態にあるのだ。

※女性セブン2022年6月2日号

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