西城秀樹さんと幼い頃の神野美伽

西城秀樹さんと幼い頃の神野美伽

野口五郎「生きていく人に迷いも残した」

「西城秀樹」の名前は、5月29日オンエアの『ボクらの時代』(フジテレビ系)でも何度も出てきた。野口五郎×岩崎宏美×大竹しのぶが揃った回だ。野口は「新御三家」で秀樹さんと苦楽を共にし、岩崎は『スター誕生!』(日本テレビ系)で「最優秀賞」に輝き、前述の『芸映』にスカウトされ所属していた。

「亡くなっていく人って、生きていく人に迷いも残していったりする」とは野口。岩崎は「五郎さんのコンサートに行ったときに秀樹(年長者や先輩をニックネームや“ちゃんづけ”で呼ぶことが多い岩崎は、秀樹さんのことも親しみをこめて、こう呼んでいる)の声を録音したものを五郎さんが持っていて」と言い、二人の歌声がステージで流れたときには、「まったく別物になっていて、すごく素敵なものだった」「西城秀樹ってすごかったんだなっていうことも、みんな認識できるし」「(五郎さんは)しょっちゅう、(秀樹さんの)お墓参り行ってるし」と変わらぬ友情エピソードを紹介した。

 野口は、「もしこれ逆だったら、絶対あいつ(墓前に)来てないなって思うんだけど」と落としつつ、追悼番組の際、涙が止まらなかった野口の隣で、「あとで見て気づいたんだけど、しのぶちゃんが手を握ってくれてたんだよね」と言い、大竹に感謝していた。

常に“団結”している秀樹ファン

 この番組の後、フジテレビには、「西城秀樹さんの話をしてくれて、ありがとうございました」というメッセージが多数送られてきている。もちろん秀樹さんのファンの皆さんからのものである。

 私は秀樹さんより2学年下ということで、“新御三家世代”の一人。歌番組の公録や生放送が頻繁に開催されていたNHKホールや渋谷公会堂に通い詰めた時代もある。そのときからずっと思っていたのは「秀樹ファンは団結している」ということ。その印象は、秀樹さんの告別式が行われた青山葬儀所でも変わらなかったし、妻の木本美紀さんが『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』(小学館)を上梓したときにも、写真集『HIDEKI FOREVER blue』(集英社)が発売されたときも同様だったのである。

 その都度、私は関連コラムを書いているが、秀樹さんのファンの方からSNSで御礼のメッセージが届いたり、直筆のお手紙をちょうだいしたりした。

 野口五郎は『ボクら~』の中で明かした「生きていく人に迷いを…」は、自身のコンサートで秀樹さんの曲を歌っていいものか迷ったり悩んだりすることを意味していた。

 だが、そんな野口に対して秀樹さんファンの多くが「歌ってくれて、ありがとう」と感謝を伝えてくれるというのである。

 それが「演歌第7世代」と呼ばれる若手の歌手に対しても同様だというのだから驚く。
音楽番組やライブで秀樹さんの曲を必ず歌う新浜レオンは、特に『ギャランドゥ』や『情熱の嵐』を得意としている。5月2日、「おかちまちパンダ広場」で行われた新曲リリース記念イベントのセトリにも、デビュー曲『離さない 離さない』と新曲『ジェラシー~運命にKissをしよう~』との間に『ギャランドゥ』を入れたのだ。

 それを知った秀樹さんファンから「多くのリアクションと御礼のコメントをちょうだいしています」と新浜と彼のスタッフは恐縮すると共に、亡くなって4年が経っても、語り、歌い継がれる大スター、西城秀樹さんへのリスペクトと熱い想いを新たにしているという。

 デビュー50周年を彩るビデオコンサートや7枚組DVD BOXも、もちろんファンの皆さんは一致団結して応援し支えている。そして、野口五郎、岩崎宏美、神野美伽、新浜レオンら、切磋琢磨してきた同年代の歌手や妹のように可愛がられた歌手、そして息子のような年代の後輩歌手らが語り歌い継ぐ西城秀樹さんは「永遠」だ。

◆山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)などに出演中。CM各賞の審査員も務める。

2006年、「寺内貫太郎一家」DVD発売記念イベント試写会にて。左上から時計回りに、西城秀樹さん、浅田、樹木さん、小林亜聖さん、加藤治子さん

2006年、「寺内貫太郎一家」DVD発売記念イベント試写会にて。左上から時計回りに、西城秀樹さん、浅田、樹木さん、小林亜聖さん、加藤治子さん

西城秀樹のYMCAに対し

大ヒットした『YOUNG MAN(YMCA)』

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