コメディとして制作され始めた
ここ数年間で、すっかり連続ドラマのテーマとして定番化した作品群を振り返ってみる。
まずは2016年に単発ドラマ、2018年に連続ドラマ放送となった田中圭さん主演の『おっさんずラブ』(テレビ朝日系列)。春田創一(田中)が、おっさんの上司や、イケメンの同僚から好かれてモテモテに……というあらすじ。それまで映像作品として取り上げられることはあっても、いかにもデリケートに扱われていた雰囲気が否めなかったLGBTがコメディドラマとして取り上げられたのは、おそらくこの作品が初めてだ。田中さんのその後の活躍は周知の通り。
2018年放送、志尊淳さん主演の『女子的生活』(NHK総合)は、性別は男性なのに外見は女性。そして恋愛対象は女性というトランスジェンダーの小川みき(志尊)の日常が描かれたドラマだ。ドキッとさせられる、印象的なセリフが多かった。
「お手本になる人もいない、年を取っても女子っぽくいられるかどうかもわからない」
主人公から次々に吐露される、複雑な感情。ああ、そうか。いくら世間の関心が変わってもまだまだ問題は多い。
「コスプレ? おかま? じゃなくて……ニューハーフ? あ、ゲイ?」
男性の同級生からこんな言葉を浴びせられるシーンもあった。リアリティがあっただけに面白く、「なぜ、たったの4回で放送終了なのか!」というのが、私の結論。志尊さんはその後も順調に作品へ出演を重ねている。みきの同級生役で、あの(!)町田啓太さんが出演されていたのは、何かの縁だろうか。