21時すぎの対照的なツイートに注目
実は昨年の『M-1グランプリ 2021』放送日、大河ドラマ『青天を衝け』は最終回の1週前であるにもかかわらず、視聴率は時間帯2位の個人7.3%・世帯12.1%を記録していました(『M-1グランプリ』は個人12.6%・世帯18.5%)。もともと大河ドラマは視聴率に反映されないBS視聴や録画視聴が多い上に、日本テレビ、TBS、フジテレビの番組が個人5%台・世帯7~9%に留まったことを踏まえると、最終回でないにもかかわらず十分な対抗馬になっていた様子がうかがえます。
その点、今年の『鎌倉殿の13人』は、例年の作品より熱狂度が高い上に最終回であり、結末への注目度も高まっているため、ツイート数で『M-1グランプリ』を超えることがあっても決して驚きはありません。「#鎌倉殿の13人」はもちろん、「北条義時」と死に関与した人物が上位にランクインするのではないでしょうか。
一方の『M-1グランプリ』は例年通り、コンビ名やネタの関連ワード、審査員のコメント、MC・上戸彩さん関連などが上位ランクインするでしょう。なかでもネタの関連ワードは競うようにツイートされるため、やはり漫才そのもののクオリティが結果を左右しそうです。
トレンドランキングを当日の時系列で予想すると、まず『敗者復活戦』が生放送される15時から17時25分にかけては『M-1グランプリ』の独占状態。BSでの放送がはじまる18時から『鎌倉殿の13人』のツイートが増えはじめ、両者がそろい踏みする20時台が最大の注目すべき時間帯になりそうです。
さらに最も読みづらいのが、『鎌倉殿の13人』が終了したばかりで、『M-1グランプリ』が最終決戦に突入する21時すぎ。前者が驚き・余韻・ロス、後者が予想・期待・興奮とツイートのテイストが異なるだけに、多くのツイートが飛び交うでしょう。その後はチャンピオンが決まる『M-1グランプリ』が優勢になりそうです。
日本のテレビ業界が現在最もツイートを獲れる番組が真っ向ぶつかる稀有な機会であり、放送を見るのはもちろん、トレンドランキングもときどき見ながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。