江利さんとの結婚生活は12年で終止符を打った(時事通信フォト)

江利さんとの結婚生活は12年で終止符を打った(時事通信フォト)

「このまま忘れ去られたくない」

 事態が再び動いたのは2019年10月。小田さんが著書『高倉健、その愛。』を刊行し、それまで明かさなかった健さんとの親密な交際を綴ったのだ。同書によれば、1996年3月、小田さんはフリーライターとして香港のホテルを訪れた。その場に偶然居合わせた健さんがスタッフ全員に「高倉健」と書かれた名刺を配り、帰国後に小田さんが香港取材の掲載誌を送本したことからふたりの交流が始まったという。

「出会いの直後から健さんは小田さんに思いを寄せ、彼女が取材でイランに行った際は、心配した健さんが現地のホテルに何度も電話やファクスを入れ、『こんなに心配しているのに、どうして連絡できないんですか!』『もう二度と、イランに行ってほしくありません』と声をかけたそうです。

 交際を始めるとき、健さんが『仕事場できれいな人に囲まれ、普段はできるだけほっとしていたいから、化粧はしないでください』と彼女に頼んだことも明かされました」(前出・映画関係者)

 寡黙で「語らない美学」を持つ男として知られた健さんだが、帰宅後に「今日はぺコリン! 何食えるの?」とおどけて空腹をアピールするなど、意外な一面も同書には描かれ反響を呼んだ。

「健さんが亡くなってからの遺族との関係や散骨したいという遺骨については一切触れられない半面、健さんとの親密な関係性を物語るエピソードは満載でした。

 小田さんは当初は健さんの最期を看取った、年の離れた養女として登場しましたが、この本では“高倉健の内縁の妻”であることを強くアピールするかのようで、実際に本の帯には、『五年前に亡くなった高倉健が最後に愛した女性』と紹介されています。小田さんが健さんのプライベートを一方的に暴露したことに批判もありましたが、彼女は『ぼくのことを書き残してね、と生前の健さんに頼まれた』と意に介しませんでした」(前出・芸能関係者)

 同書の発売に合わせて、小田さんは一部のメディアの取材に応じ、着物姿に茶髪のショートカットの後ろ姿を披露。顔は伏せたものの、健さんとの永遠の愛を熱心に語った。『婦人公論』(2019年12月24日・2020年1月4日合併特大号)では生前の健さんから「何かあったらこれを出しなさい」と署名入りの婚姻届を渡されていたことを明かし、養子縁組した理由をこう説明した。

《「養女」としたのは、婚姻届を出し「高倉健が結婚」となると、大騒ぎになってしまう。それを恐れてのことでした。私自身は、「ああ責任重大」と身が震えました》

 それから3年あまり、ついに顔を出してテレビに出演する彼女は何を語るのか。前出の芸能関係者が言う。

「昨年2月に健さんの生誕90周年を記念したアルバムが発売されましたが、新規の仕事や事業があるわけではない。往年のスターが次々と鬼籍に入る中、“このまま忘れ去られたくない”との危機感はあるはずです。実は、近く、健さんの生き様を記録した彼女の新刊が出る予定なんです。この春、出版にテレビ出演と一気に彼女の露出が増え、再び世間に健さんの話題が出ることになるでしょう」

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