関西では武豊騎手の存在が大きかった。もちろん技術は素晴らしいですが、栗東のホースマンすべてが応援し、新しいスターをつくってお客さんを競馬場に呼ぼうという空気がありました。かくいう僕も、大した実績もない頃から、関西の厩舎から数多くの騎乗依頼をいただき、重賞を27勝もさせていただいています。
近年は関西の名物レースでも関東馬が頑張っており、このレースにも有力馬が参戦するようです。今の時代、東も西もないかもしれませんが、関東の調教師の一人として、「西高東低」なんて言われないように頑張りたいです。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2023年4月7・14日号