芸能

春の改編期で連ドラに異変!「2年連続で3枠増」テレビ局の思惑と新たな課題

『日曜の夜ぐらいは…』

30日に放送される『日曜の夜ぐらいは…』は新しい枠(公式HPより)

 春ドラマが続々とスタートしているが、ドラマを放送する枠がじわりと増えているのをご存じだろうか。昨年春に続いて今年の春も3枠増えているのだ。テレビ局の思惑とは? そして見えてきた新たな課題についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 木村拓哉さん、天海祐希さん、福山雅治さん、波瑠さん、高畑充希さん、芳根京子さん、橋本環奈さんら豪華な主演俳優がそろった春ドラマの初回放送が次々に行われています。なかでも業界内で注目を集めているのは、今春にスタートする3つのドラマ枠。

 日本テレビは金曜24時30分にドラマ枠を新設し、7日に稲森いずみさん主演の『夫婦が壊れるとき』をスタートさせました。次にフジテレビ系列のカンテレが火曜23時にドラマ枠を新設し、18日に桜井ユキさん主演の『ホスト相続しちゃいました』を放送予定。さらにテレビ朝日系列のABCが日曜22時にドラマ枠を新設し、30日に清野菜名さん主演の『日曜の夜ぐらいは…』をスタートさせます。

 それぞれ放送曜日が火曜、金曜、日曜、時間帯が22時台、23時台、24時台とバラけているところを見れば、各局が番組表の中で戦略的にドラマ枠を増やしているのは間違いないでしょう。実は昨年の春も、フジテレビが水曜22時、テレビ東京が火曜24時30分、TBSが火曜24時58分からのドラマ枠を新設していました。2年連続で3つものドラマ枠が増えているのです。

 すでに地上波には約30ものドラマ枠があったにもかかわらず、なぜ増え続けているのでしょうか。また、それによりどんな状況が生まれているのでしょうか。

配信ビジネスの切り札として期待大

 2年連続でドラマ枠が増え続けているのは、「各局で“連続ドラマ”というコンテンツがそれだけ期待されているから」に他なりません。ではなぜ期待されているのか。

 その理由は、連続ドラマが配信収入を得やすいコンテンツだから。これまでテレビ局が手がけるコンテンツの中で連続ドラマは配信再生数のランキング上位を占めてきました。

 ネットを含むコンテンツ競争の激化やビデオ・オン・デマンドの普及で以前より視聴率獲得が難しくなり、CMによる放送収入が減る中、テレビ局にとって配信収入の確保は重要課題の1つ。その点、連続ドラマはTVerなどの無料見逃し配信でネット広告収入が期待できるだけでなく、自社系動画配信サービスの有料会員誘致につながり、Netflix、Disney+、Amazonプライム・ビデオなどによる海外配信での収入も狙えるなど、映画化やイベントなどへの展開も含め、収入面での期待が大きいのです。

 ただそうは言っても、まだまだ放送収入が占める割合のほうが圧倒的に高いだけに、ゴールデン・プライム帯のドラマはコア層(主に13~49歳)の個人視聴率獲得が必要。そのためドラマ枠はそれを得るのが難しい19時台と20時台ではほとんど放送されず、21時台と22時台に集中していて、その上で配信再生数も稼げるドラマを制作しようとしているのです。

関連記事

トピックス

行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン