──村の印象はどんなものでしたか?
「お家を安く貸してもらい、最初はよくしていただきました。村には多くの自然が残っていて、冬には鶴が遊びにきます。すごく綺麗な土地で、村自体はすごく好きでした。鶴のほかにも、森の中には自然水という湧き水があって、ちょっとした観光スポットになっているんです。そこは少し奥まったところにあり、冬は真っ白で綺麗だし、夏は草木が生い茂っています。魚が泳いでいる小川もあって水も美味しいし、村には良いところがたくさんありました」
──美しい村に魅了されていたのに、トラブルのきっかけは?
「鶴居村には不動産屋がありません。なので、家を借りるときにYouTuberの繋がりで地元の方を紹介していただいたんです。地元の青年会に所属している方で、代々その地域に住んでいることもあり、地元で顔が利き、役場にも影響力のある方でした。最初はいろいろと世話を焼いてくれて、撮影にも協力的でありがたい存在だったのですが、だんだん2人で食事に誘われるようになって、毎日LINEがくるようになったのです」
「Aさんと関わらなければ村では生きていけない」
りんさんが話す地元の方とは、A氏とB氏という2人の男性だ。A氏は親戚に釧路市の議員がおり、祖父の代から地元で事業を営む一家の人間。B氏は鶴居村に隣接する自治体の住人でA氏の先輩にあたり、撮影場所の交渉などを手伝ってくれていたという。りんさんが続ける。
「Aさんからはたびたび食事に誘われていて、そのうち『家にイタズラしに行くわ』というメッセ-ジや、猫のキャラクターがベッドに誘ってくるスタンプなど、馴れ馴れしいLINEがくるようになりました。2人で食事に行くことに抵抗があったのですが、そもそも、移住直後の私は摂食障害に悩んでいたこともあり、誰かと食事に行けるような体調ではありませんでした。
そこで『昼間にお茶だけなら……』と応じたのですが、なぜか連れて行かれたのは釧路のカレー屋さんでした。お店ではカレーと揚げ餅が出され、Aさんは『俺は食わせて病気を治すんだ』と言うのです。お断りすると、Aさんの知人の店主も『貧乏だと思ってせっかく出してやったのに、なんで食べないんだ』と機嫌が悪くなりました。
Bさんからも『俺は変態だぜ』とか『ジロちゃんと呼んで』などと、毎日LINEが送られてきました。Bさんは“北海道のジローラモ”を自称しているので、“ジロちゃん”ということのようです」