これらのエクササイズは、ある程度継続しないと効果が現われないため気長に取り組む必要があるが、すでに腰の痛みや痺れで夜も満足に寝られないほど重症化している──という人もいるだろう。そんな人が注意したいのが、就寝の際の「寝方」だ。西良医師が語る。
「症状がツラい時は、なるべく痛む側を上にして横向きに寝るのがよいでしょう。狭まった脊柱管と椎間板がゆるむことで、症状を和らげることができます。
それでも仰向けで寝るのが楽という人は、ひざ下にクッションを入れると腰が丸まって効果的ですし、うつ伏せが楽な人は腰が反らないようお腹の下にクッションを入れると寝心地が良くなるでしょう」
これらの取り組みを行なっても症状が一向に改善されない場合は、速やかに整形外科に受診するようにしたい。
「腰の痛みや痺れなどの神経症状の裏には、ほかの重大な病気が隠れているケースがあります。たとえば『体重減少』などの症状が併発していると、がんの脊椎転移の疑いがあり、『動脈硬化が進んでいる』なら、大動脈瘤のこぶが神経を圧迫している可能性があるので、心当たりがある人は注意しましょう」(西良医師)
腰は“体の要”。症状が改善されれば、快適な生活が待っているはずだ。
※週刊ポスト2023年5月19日号