小雪が急に電話をかけた
作中では八百長や先輩力士による暴力、理事長の椅子をめぐる攻防など現実の相撲界で起きた騒動などを連想させるようなシーンが散りばめられているが、多くの視聴者を驚かせたのは物語終盤で小雪がある人物に電話をかけるシーンだ。映画やドラマに詳しいライター・小政りょう氏が語る。
「角界のプリンス・龍貴(佳久創)が所属する『龍谷部屋』の龍谷親方(岸谷五朗)は、『貴』という四股名と鋭い目つきなど貴乃花親方を連想させます。驚いたのが、花が主人公を助けるため親方に電話をして助けを請うシーン。昔、男女関係があったが引き裂かれ、花が身を退いた過去が明かされ、『宮沢りえと貴乃花みたい』と話題になった。かなり唐突なシーンだったので、宮沢さんとの婚約解消のゴシップをモデルにしたのではないかという意見も出ているようです」
力士を演じる役者たちの肉体改造や稽古など、役作りだけで1年近い時間を費やしたという超大作。迫力ある土俵のシーンとともに、往年の相撲ファンは物語の端々に隠された“オマージュ”を楽しむのも一興かもしれない。
※週刊ポスト2023年5月26日号