メジャーに挑戦した当初は二刀流に懐疑の声もあった。だが、歴代の監督たちはそれでも支え続けた。大リーグ研究家の福島良一氏が語る。
「メジャー移籍時は経験豊富なマイク・ソーシアが理解を示し、ベーブ・ルース以来100年ぶりとなる投打二刀流を実現させました。続くブラッド・オースマスが経験値を与え、次のジョー・マドンの時に先発登板の前後の試合も休まずプレーするスタイルが定着。2021年にア・リーグのMVPを獲得しました。現監督のフィル・ネビンは、中6日だったマドンの起用法を進化させ、大谷を中5日で先発起用している。これにより大谷は真のエースの座を確立したと言えるでしょう」
多くの恩人の導きで前人未到の活躍を続ける大谷。柏原氏はそんな彼を評してこう言う。
「日ハム時代は周囲が力を合わせて二刀流の大谷翔平を完成させようと努力していました。彼がそうさせる雰囲気を持っているんです。それが一番じゃないかな」
“支えたくなる男”大谷の野球人生はまだまだ続く。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2023年6月2日号