弟子に対し「家畜」という言葉も放つことがあったという市川猿之助

市川猿之助。パーティー時の集合写真

「黙ってがまんしなければならなかったのでしょうか」

「濃厚セクハラ」の被害の実態を本誌に明かした、別の澤瀉屋関係者が現在の心境を改めて語った。

「段四郎さんと奥様が亡くなられたことの無念は言葉になりません。絶望に近い気持ちです。段四郎さんのことは本当に尊敬しています。なんでこんなことに……。

 猿之助さんから性的ハラスメントを受けたと声を上げたことがこのような悲劇が起きた一因になってしまった可能性を思うと、とても苦しい。自分ががまんすればよかったのか。自分が被害を明かしたせいで、無関係の人が“バラしたのはアイツだ”と責められているようです。それも何よりつらいことです。みんな苦しんでいます。

 ただ……、猿之助さんに応えなければ、澤瀉屋まわりでの舞台の仕事はできないだろうという気持ちがあり“いまこの時間をがまんすれば”と思って心を殺していた人は1人、2人ではありません。本当に狭い世界なので声を上げられないのです。私はただ舞台を愛するものとして覚悟した上でのことでした。誰かが声を上げなければなにも変わらない。声を上げたことを後悔するわけにもいきません。

 猿之助さんは役者として才能あふれるかたです。私はただ、猿之助さんがその驕りに気づきまっとうになってほしい、頼れるリーダーになってほしい、歌舞伎の世界が正しい方向に進んでほしい、その一心でした。それなのに……」

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