一方で今回、取材に答えたOBのなかで、唯一、元中日監督の落合博満氏の名を挙げたのが、阪神のクローザーとして活躍し、引退後は第一次岡田監督時代の阪神の投手コーチを務めた中西清起氏だ。
「ボクは落合博満さんがいいんじゃないかと思う。ドラゴンズの監督時代に(阪神のコーチとして)対戦したが、手堅いというか、守りを中心にした野球ですよね。勝利至上主義というか、8年間の中日監督時代にリーグ優勝4回という実績でもわかるように、勝てる野球ができる監督です。
侍ジャパンはファンサービスどうのこうのではなく、勝つ野球に徹すればいいわけです。負けたら終わりのトーナメントでは勝つことが第一目標で、トップ選手が同じチームでプレーすることがそもそもファンサービスになっていますからね。落合さんの得意とするところでしょう」
◆栗山永久監督!?
一方、カミソリシュートを武器に活躍した大洋の元エース・平松政次氏は「落合(博満)は代表監督としていい采配をするだろうが、“オレ”が強すぎて選手が集まらないですよ」と指摘する。その平松氏は仰天の“人選”を披露する。
「イチロー、松井秀喜、工藤公康、古田敦也……候補者はいろいろいるが、イチローや松井は監督経験がないからね。過去の代表監督のケースを見ても、やはり無理でしょう。(仮に打診があっても)本人も受けないのではないか。今回のWBCを見ても、栗山が監督をやるからダルビッシュや大谷が参加したわけです。そういう監督でないと最強のオールジャパンは組めない。栗山のような監督はいないと思う。だからもう1回、栗山でいいんじゃない。現役時代は目立たなかったけど、そこがいいんだよね。名球会の連中は、実績は申し分ないが、キャラが立っているというか、我が強い。栗山の今回のWBCの監督ぶりは見事だった。ボクとしては栗山に代表の永久監督をやってもらいたい」