まずオールスターで地元ファンが熱烈なラブコールを送ったマリナーズ。
イチローをはじめ、佐々木主浩や城島健司など多くの日本人選手が活躍したチームだけに条件は良さそうだが、メジャーリーグアナリストの福島良一氏は「この球団はないでしょう」と指摘する。
「米メディアも書いていましたが、イチローの存在が大きすぎます。メジャー通算3089安打、シーズン最多記録の262安打など数々の記録を誇るイチローはシアトルのレジェンドであり象徴。マリナーズはイチローの球団というイメージがあり、そこに大谷が加わるのはチームの歴史上、容易ではありません」
前述の通り、FAで大谷を獲得するには800億円以上が必要になるため、資金力が豊富な球団が移籍候補になる。筆頭がニューヨークに本拠地を置くヤンキースだ。
「右翼が狭いヤンキースタジアムは左打者に有利で、伝統ある球団で活躍する大谷を見たいという声は多い。だがかつて松井秀喜が『ゴロキング』などと酷評されたように結果が出ないとファンやメディアなどから容赦なく叩かれます。スタントン(33)、ジャッジ(31)というDHの二枚看板がいるため、大谷を常時DHで起用できないのも難点です」(福島氏)
独身の大谷にとっては野球以外の“誘惑”も大きな脅威になる。
「ニューヨークは女性関係の誘惑が多く、メディアにプライベートを書き立てられて調子を落とすケースもある。大谷は大丈夫だと思いますが、“魔の手”が多いことはやはり心配です」(福島氏)
最有力はドジャース?
同じニューヨークを本拠地とするメッツはどうか。大リーグ研究家の友成那智氏が語る。
「メッツは左の長距離砲が不在で、今オフにエースのシャーザー(38)との契約が切れるため資金的な余裕もある。ただし、千賀滉大(30)が在籍しており、お互いがどう思うか。さらに日本のメディアがことさらに2人の関係性を掘り下げようとするなどの“雑音”がマイナスにはたらく懸念がないとも言えません」
過酷なスケジュールで知られるMLBは気候も大きな影響を及ぼす。
「温暖なカリフォルニアと違いニューヨークは春先や秋は寒く、夏場は蒸し暑く体力を奪われます。ニューヨークと同じ北東部のボストン・レッドソックスも気候面はマイナスです」(福島氏)