介護と福祉のリスクコンサルタントをしている山田滋さんが、家庭で行方不明になった場合、以下のような手順を事前に決めておき、いざというとき、迷わずに対応すべきだと教えてくれた。
【1】家の中を5分ほど捜す
【2】家の周りを5分ほど捜す
【3】近所で立ち寄りそうなところを10分程度捜す(事前にリストアップしておくとよい)
【4】ここまで約20分。見つからない場合は即座に110番通報する。
「家族が行方不明になったが、認知症のため命の危険があります。早急に捜してください」とはっきり伝えれば、警察の対応も間違いないものになるという。
20分は短いのではないか。そう思う方もいるのではないか。山田さんが言う。
「認知症の人がどの方向に歩いていったのか分かりませんよね。地図を思い浮かべてほしいのですが、捜索は自宅を中心に円を描くイメージで、その範囲をまんべんなく行います。すると5分違うだけで捜す範囲が大きく広がってしまうことが分かると思います。またバスに乗ったりすれば、さらに広範囲な地域を捜さなければ見つかりません。2時間、3時間くらいは捜してから……そう思う方も多いと思いますが、実際にはそれでは遅いんです」
(第2回に続く)