「剛くん、大丈夫?」
キンキは昨年、デビュー25周年を迎えた。ジャニーズ所属の「グループ」としては、名前のみ存続する少年隊を除けば最古参だ。だが、デビュー間もない頃から、光一と剛は別の方向を向いていた。
「デビューからわずか3年後の2000年から光一さんはミュージカルの出演を増やし、一方の剛さんは2002年にジャニーズ初の“シンガーソングライター”としての活動を本格化させました。
ソロでの活動が増えるほど、不仲説や解散説が囁かれるように。実際、光一さんが“キンキを辞めたい”とジャニー氏に相談したことがあったそうです。別々の活動をするなか、プライベートで口をきかなくなり、お互いへの興味が薄れたり、理解し合えない状況を、光一さんが悩んでいたと報じられたこともありました」(前出・芸能関係者)
それでも、2人をつなぐ細い糸は切れることはなかった。むしろ危機的な事態を迎えると、不思議とつながりは強固になった。2017年、剛が突発性難聴を発症した。デビュー20周年の節目だった。
「剛さんはドクターストップがかかり、同年7月の周年ライブには中継での出演でした。正直、中止という選択肢もあったなか、光一さんはたったひとりで、ファンの前に立ったんです。剛さんが満足に活動できなくても、自分がキンキを守っていくという気持ちがあったんでしょう」(音楽関係者)
剛は同年秋にライブ復帰を果たしたが、病と向き合いながらの活動再開だった。
「耳が癒えていないので、音を捉えて歌うために、剛さんはステージ上で踊らなかったんです。光一さんは、“歌に集中しないといけないから”と観客に説明し、フォローしていました。ライブ中に“剛くん、大丈夫?”と気遣うシーンもあり、感動を誘っていました」(前出・音楽関係者)
その様子からは、キンキが何度も解散が取り沙汰されたユニットであることは微塵も感じられなかった。
「剛さんは、晩年のジャニー氏が病床に伏せっていた頃、“ジャニーさんが亡くなったら、おれも事務所を辞める”と漏らしていたといいます。2019年にジャニー氏が死去した際には、ジャニー氏の額に感謝のキスをしたほどでした。
ですが、剛さんは退所を選択せず、キンキとしての活動も続いている。ジャニー氏からもっとも寵愛を受けた2人だからこそ、ジャニー氏という強烈な個性を失った後に、解散するわけにはいかないという思いだったのでしょう」(前出・別の芸能関係者)
事務所が消滅する可能性さえある現状は、キンキにとってもかつてないほどの危機だろう。だからこそ、前述したようにお互いのスタンスを変えてでも、2人で立ち向かおうとしているのかもしれない。
「年内に新曲がリリース予定で、すでにミュージックビデオの撮影は済んでいます。加えて、年内には3年ぶりにアルバムも発売されます。ジャニー氏の性加害について思うところはもちろんあったでしょうが、ソロ活動に力を入れつつ、ファンのために、キンキとしての活動を盛り上げていこうとしているようです」(別の音楽関係者)
硝子の少年時代を経て、大人の決断をした2人の闘いは続く。
※女性セブン2023年9月28日号