曰く、可愛ければグループの中でも街中でも、存在を認められる──「自分を輝かせるため」「自分を大事にするため」にはお金が必要なのは当然のことで、そのための「身体を売る」という行為に疑問を抱いている様子はない。
「相変わらず、メン地下の追っかけは続けてたんですが、その後、新しくできた“推し”がホストになって。店に通っているうちに100万円以上の“未収”(※「売掛け」、ツケのこと)ができてしまって。店との話し合いの結果、父親に建て替えてもらうことになった。そういう前科があるから、父は『病気だ』と言ったんです」
40代の私から見れば、「立ちんぼ」といえば古くは「横浜のメリーさん」や「東電OL事件」など、どこか薄暗いイメージがあり、また「事情がありお店に在籍できない女性」が最後にたどり着く場所だという印象も持っていた。実際、20年以上前に、渋谷・円山町のホテル街に深夜佇んでいた女性たちは、いかにも「訳アリ」といった雰囲気で、「交縁女子」のように半ば“カジュアル”にその存在が語られるようなムードはなかった。だからこそ、現在のライトな「交縁ブーム」にはどうして違和感を覚えてしまう。
ショウコさんが語る一日のスケジュールはこうだ。13時頃、公園近辺に出向き「だいたい10万円稼いだら、その日は終わり。10万円いかなくても、ホストクラブの営業が始まる21時ころになったら終了」という。ショウコさんが現場に立ち始めたのは今年の2月。それから逮捕される前の4か月で稼いだ額は400万円にものぼるという。
「お店と違って、中抜きされないし、自分のペースで働くことができる。客層も20~50代と幅広いし、お店とほとんど変わらない。もともとキャバやってたんで、トークが面白いっていって『最後』までいかない人も多いですよ」
彼女は「個人事業のメリット」を朗々と語るが、当然リスクは付きまとう。
「そりゃ、危ないこともありますよ。立ち始めて最初についた客からは『こんなことをしていると親が泣くよ』といきなり説教され、ムカついたので『うるさい!』と言い返したら、いきなり頭を殴られました。グーじゃなくて、パーだったけれど……あとは、外国人とは“遊び”たくない。約束を守ってくれない人が多いんです。『ゴムありでいくら』という約束をしたのに、平気で約束を破って、生でヤラれた上にお金を払わず、逃げられたこともあります」
さらには繰り返しとはなるが、性病や今回のように逮捕など、リスクは数えきれない。それなのになぜ、女の子たちは「公園」に集まるのか。そして、彼女たちを「買う」男性たちのことも。私には理解ができない。