「年俸後払い」は美談か
もちろん、プラス面もあるだろう。ドジャースには日本人メジャーリーガーのパイオニアである野茂英雄をはじめこれまで多くの日本人選手が所属し、活躍してきた。友成氏が言う。
「大物もたくさんいる。プライベート部分はしっかりプロテクトはすると思います。メディアもボストン、シカゴ、ニューヨークでは選手を遠慮なく叩きますが、ドジャースの場合は『ロサンゼルスタイムス』がそこまで辛辣じゃない。主治医がチームドクターというのもあるし、そういう面ではいい選択だった。ただ、勝って当たり前のチームでは、大谷がそこまでドラマチックに勝利に貢献する機会は減るかもしれない。
ちょっと日本の報道は過熱気味で、落ち着いて見守ることが必要でしょう。大谷が提案した、繰り延べで支払う年俸後払いも美談として報じられていますが、米国ではどの球団でも程度の差こそあれやることです。通常は後払いのぶんには金利がつくところ、大谷は無利子ということで注目されているのですが、なんでもかんでも持ち上げた挙げ句、少し成績が停滞しただけで、手のひら返しの論調にならないか心配です」
新天地での大谷がどうなるか、心を落ち着けながら見守りたい。
※週刊ポスト2024年1月1・5日号