江本氏の辛口評論は今年も健在だ

江本氏の辛口評論は今年も健在だ

大勢を先発に転向させても面白い

 江本氏は「ボクは菅野のストッパー転向に賛成ですね」と明言したうえで、こう続ける。

「今の菅野なら1イニングや2イニングは目をつぶっていても抑えられるでしょう。もちろん、先発陣としてはもったいないが、巨人の現状と菅野の今後を考えたら、いいタイミングじゃないですかね。菅野をストッパーにして、若い先発を育てるというのもありでしょう。逆に大勢を先発に転向させても面白いと思いますよ。

 巨人のV奪回は菅野にかかっている。打つほうは心配ないわけで、若手の先発候補が1~2人出てきて、後ろがしっかりすれば優勝は狙えますよ。阪神だって村上(頌樹)と大竹(耕太郎)という計算外のピッチャーの活躍で優勝できたようなもんですからね。阿部が有言実行できるか。元旦のリップサービスでないことを祈ります」

 今年で77歳となる江本氏だが、辛口はまだまだ健在のようだ。1月15日には同い年の堀内恒夫(元・巨人)、平松政次(元・大洋)とトークライブ「エモやんのああ言えば交友録」(新宿・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYA)を開催するという。

「元気なうちにいろいろと言っておかないと。我々の世代はある意味抑圧されていて、若い人たちのSNSの力みたいなものに言論を封じられるフラストレーションみたいなのもたまっていますからね。人生あとわずか、最後に放出しておこうかなと。平松も“今までしゃべったことがないことまで全部しゃべる”と言っているし、堀内もボク以上に辛口。遠慮がないからね。一体どうなることか……」

 堀内恒夫氏と平松政次氏はシーズン最高の「先発完投型」投手を表彰する沢村賞の選考委員である。投手の分業制が進むなか、巨人・菅野が2018年にシーズン10完投という数字を残したことを高く評価していたこともある。そんな菅野のリリーフ転向説を2人がどう見るのかというのも興味深いだろう。

 昨年は阪神に話題をさらわれた巨人だが、今年は阿部監督がどこまで改革を実行できるかにも注目が集まることは間違いなさそうだ。

【プロフィール】
江本 孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。71年に東映に入団し、南海、阪神でエースとして活躍。1980年に現役引退後も衣着せぬ物言いでメディアを賑わせ、参議院議員に当選するなどマルチに活躍している。

◇江本孟紀トークライブ・エモやんのああ言えば交友録
江本氏が、昭和22年生まれの同級生である元巨人・堀内恒夫氏、元大洋・平松政次氏と語り合う。1月15日に新宿・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAで行なわれるレジェンド同士の対談は、昼の部(開場13:30、開演14:00)に堀内氏が、夜の部(開場17:30、開演18:00)に平松氏が登場。「現役選手にもいろいろ言っておきたいことがある。オフの間に生の叫びを聞いてもらおうという試み」と江本氏は意気込む。台本は一切なし。試みとして成功すれば、大阪や名古屋での開催も予定しているという。申し込みはニッポン放送のイベントガイド「江本孟紀トークライブ・エモやんのああ言えば交友録」公式ページから。

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