江本孟紀一覧

【江本孟紀】に関するニュースを集めたページです。

セ・パ交流戦で調子を上げた阪神(時事通信フォト)
阪神、どん底からの反転攻勢 「もともと力があるチームですから」と江本孟紀氏
 矢野・阪神に向けられる視線が大きく変わったのは、セ・パ交流戦(5月24日~6月12日)の後半からだ。 西武との3連戦の初戦に敗れた5月31日の時点では、交流戦の成績が3勝4敗、セで最下位に沈んでいた。在阪スポーツ紙は〈21世紀最速、屈辱54戦目。矢野監督・自力V消滅〉(6月1日付・スポニチ)といった手厳しい見出しを掲げた。 それが、6月3日からの甲子園での日本ハム戦に3連勝。同7日からのソフトバンク、オリックスとの6連戦を前に交流戦8勝4敗でヤクルトに次ぐ2位になると、〈交流戦5連勝でノリノリ矢野監督〉(7日付・サンスポ)と威勢がよくなり、交流戦を12球団中2位で終え、〈輝、チーム勝たせる4番になる〉(14日付・デイリー)〈球界を代表するエース青柳、獲る沢村賞〉(15日付・スポニチ)〈逆転Vの使者、頼もし第一声。ロドリゲス勝利に貢献する〉(21日付・サンスポ)と、ちょっと前がウソのような“お祭り騒ぎ”となった。 熱心な虎ファンで、阪神優勝の経済効果の試算でも知られる関西大学名誉教授の宮本勝浩氏は、「阪神、頑張っているね」と目を細めてこう話す。「矢野監督は本当にチームを明るくしてくれた。金本(知憲)前監督時代は選手がピリピリしていたからね。選手が自軍のベンチの監督の顔色ばかり見ていたように思う。それがなくなり、選手がノビノビやっているのが矢野・阪神ですね」 春先は絶望的だった。開幕戦で7点差を引っくり返されて黒星発進となると、そこから悪夢の9連敗。「2年連続セーブ王だったスアレスが抜け、守護神に指名された新外国人のケラーが大誤算。一軍で通用するレベルではないのに、矢野監督がストッパー起用を決めたとして批判の声が広がっていた」(阪神担当記者) 矢野監督の奇妙な言動も批判に拍車を掛けた。 2月1日のキャンプイン前日の全体ミーティングでは、「今シーズン限りの退団」を表明。前代未聞のタイミングだった。さらには矢野監督がハマる「予祝」も注目された。「喜ばしい未来を想定してあらかじめ模擬的に祝うことで、喜ばしい現実を引き寄せられるという趣旨のもの。もともとは豊作を祈願して模擬実演する行事なのだそう。矢野監督が予祝を信じていることが選手にも浸透し、キャンプでは糸井嘉男と西勇輝が中心となって室内練習場で矢野監督を胴上げ。優勝の予祝をしていました」(同前) チームが絶不調では、“奇行”として注目されるばかりだったが、それも流れが変わった。 6月17日のDeNA戦で4番・佐藤輝明が4タコに終わると、矢野監督は「明日は輝が打ってくれる」と発言。特に根拠はなさそうだったが、翌18日、佐藤は逆転の2点タイムリーを放つ。〈予言通り〉〈将の予告現実に〉といった見出しが並び、矢野監督は“喜ばしい未来”を引き寄せたのだ。ピッチャーは盤石や! 開幕後の低迷で、親会社である阪急阪神HDの株主総会(6月15日)の紛糾が懸念されていたが、直前に盛り返したことで、球団や監督を批判する株主はほとんどいなかった。「谷本修オーナー代行は『チームとしては17年ぶり優勝というプロジェクト、ペナント奪回を誰ひとりとして諦めていません』と力強く宣言。株主総会対策と言われる新外国人・ロドリゲスの獲得も好感を呼んでいました」(阪急阪神HD関係者) セは交流戦を制したヤクルトが独走し、巨人がそれに続くが、首位以外はダンゴ状態。さらなる反転攻勢に期待が高まるのは当然だろう。 そもそも、投手陣は12球団屈指の陣容で、チームが低迷する間も前評判通りの活躍を見せていた。 チーム防御率はヤクルトと同水準でリーグ2位の2.77(6月22日終了時点、以下同)。青柳晃洋はリーグトップの8勝、防御率1.17と抜群の安定感で、西勇輝もリーグ2位の1.99と1点台をキープする。 守護神として1985年の阪神の日本一を経験し、引退後も一軍投手コーチなどを務めた中西清起氏は、タイガースの“復活”をこう評す。「いきなり強くなったんやなくて、最初が悪すぎただけ。ヤクルトと優勝を争った昨年の終盤ぐらいの状況に戻ってきたんちゃうかな。もともと先発陣は6枚きっちり揃っている。開幕当初は苦労したリリーフ陣もセットアッパーに4年目の湯浅(京己)、ストッパーには岩崎優がはまってきた。6、7回はアルカンタラ、岩貞(祐太)がいる。 打線も春先はノーヒットで点を取りにいくということがやれていなかった。昨年の好調時は1点が取れない時にベンチが動いて点を狙う野球ができていたが、今年の春は矢野監督が迷っていたのか動けずにいた。それがここにきて、総力戦をやるようになったね」 戦力が不足していたわけではないのだ。かつて阪神のエースとして活躍した江本孟紀氏も「もともと力があるチームですからね」としてこう話す。「日本ハムみたいに、専門家がみんな最下位だと予想していたチームとは違いますよ。多くの評論家が阪神はAクラスと予想しましたから。出だしで躓いたのは、キャンプ前の矢野退任発言が影響したと思いますよ。ショックからしばらく立ち直れず、選手に焦りが募っていったんでしょう。投手陣はもとから安定していたし、大山(悠輔)が打ち始めた。それが復活の理由でしょう。逆に言えば、監督の力は関係ないと思いますが(笑)」 現役時代は南海、西武で捕手として活躍し、阪神コーチ時代は野村(克也)監督の懐刀として「キャッチャー・矢野」を指導した元編成部長の黒田正宏氏は、「打順が固まったことが大きい」とみる。「スタートダッシュに失敗してベンチが焦っていたと思う。取り返すために打線をやりくりして軸が決まらなかった。最大の問題は開幕戦で3番を打っていたマルテのケガ。3番・マルテ、4番・佐藤、5番・大山で固定しようとした矢先にマルテが抜けた。それが、交流戦の後半(6月1日の西武戦)から近本(光司)を3番に置いて、外国人に頼らない打線にした。同時に1番に島田海吏を起用したのも大きかった。島田、中野(拓夢)、近本と俊足の選手が1番から3番まで続き、機動力を生かせるようになった。この打線にしてから6連勝。48通り目のオーダーだそうだが、一番しっくりしている。理想のオーダーじゃないですかね。矢野監督の自信につながっていると思います」※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.27 16:00
週刊ポスト
これからの目標などについて語る弘兼憲史氏
弘兼憲史氏、団塊世代に向けて「歳をとっても、この先も恋愛できる」とエール
 1947~1949年生まれの団塊の世代が、「後期高齢者」となる。社会保障費の負担増などを懸念する声が多いが、“当事者”はどう捉えているのか。今年、75歳を迎える江本孟紀氏(野球解説者)、弘兼憲史氏(漫画家)、大和田伸也氏(俳優)の3人が集い、これからの目標について語り合った。【全3回の3回目。第1回から読む】 * * *大和田:弘兼さんの『人間交差点』や『黄昏流星群』はバイブルですね。僕たちの世代にぴったり寄り添っている。弘兼:狙いはまさにそこなんですよ。『黄昏流星群』は老人の性がテーマですが、不倫をしろという漫画じゃないんです。“歳をとっても、この先も恋愛できるんだよ”とエールを送っている。あと数年すれば男性の生涯未婚率は30%を超えます。女性でも増え、中高年のブライダルマーケットが大きくなるでしょう。『黄昏流星群』を描きながら、“人生最後の恋”はなかなかいいものではないかと感じています。描いていて楽しいですね。大和田:10年ほど前に初めて監督として映画を撮ったんですが、『人間交差点』みたいなストーリーを撮りたいと思ったんです。原作は版権が高くて手が出ませんので(笑)、自分で同じ年代の男の悲哀を表現しました。江本:お2人のような芸術系の人は夢があっていいです。僕みたいな体育会系は暇な時にやることがなくて、リビングに置いた小さなダンベルを持ち上げるしかない。とくに日本の野球界はメジャーと違って年寄りを排除します。張本勲さんがいい例で、何かあると一気に悪口の標的になる。芸術系の人が羨ましいです。弘兼:野球解説のお仕事もあるじゃないですか。江本:やっていますが、一緒にやる若いアナウンサーは僕の現役時代を知らないですよ。“オールスターにも出たことあるのかな?”という感じで。大和田:それは芸能界も同じです。若い人は三船敏郎さんを知らない。長谷川一夫さんも知らない。自慢話で、“昔、舞台で山本富士子さんと恋人同士の役をやった”と言っても、山本さんを知らないんだから。江本:球界でも、ひょっとして王(貞治)、長嶋(茂雄)も知らないんじゃないかと心配になりますよ。弘兼:僕らの世界でも手塚治虫先生を知らない人がいます。名前は知っていても、作品を読んだことがない。僕らの世代はまず手塚先生から入りました。トキワ荘の人たちが20代前半で描いた作品の読み手が団塊の世代。日本の漫画が世界一になったのは、団塊世代という読み手がいたからです。──時代が変わっていくなかで、今後の目標はありますか?江本:僕は人生の最後はアリゾナに住みたいね。毎年キャンプ取材を兼ねて行っていたけど、景色が最高で食い物もうまい。気候もいいし天国ですよ。弘兼:僕は歳をとったなりに漫画を描きたい。『黄昏流星群』なら、主人公の80歳のじいさんが恋をしてもいいし。大和田:僕はその役をやりたいなぁ。江本:あと、今後の希望ということでは、やっぱり苦しむ最期は嫌です。死ぬならあっさり死にたい。野村克也、サッチー夫妻は2人とも眠るような死に際でした。ここだけは師匠の真似をしたいと思っています。弘兼:理想ですよね。大和田さんは舞台の上で死にたい?大和田:そうですね、ボロボロになるまで役者をやりたいです。あと、死ぬまでにもう1本だけ監督として映画を作りたい。江本:その時はお金を払いますから、セリフなしで、バイクで通り過ぎるだけの役で使ってくださいよ(笑)。弘兼:僕は最近、残りの人生を逆算で考えるんです。ゴルフにしても、80歳までできるとして、あと5年。年に20回として残り100ラウンドです。そう考えるとゴルフの1打も、食事の一食も、おろそかにできない気持ちにはなりますね。(了。第1回から読む)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/野球解説者。1947年7月22日、高知生まれ。法政大から熊谷組を経て東映に入団。2年目に南海に移籍し、エースとして活躍。阪神に移籍後、「ベンチがアホやから野球がでけへん」の言葉を残して退団。引退後は政界に進出し、現在は辛口評論家として活躍。弘兼憲史氏(ひろかね・けんし)/漫画家。1947年9月9日、山口生まれ。早稲田大で漫画研究会に所属し、松下電器産業(現・パナソニック)に入社。3年後に退職して漫画家の道に進む。代表作『島耕作』シリーズに加え、『黄昏流星群』では中高年の恋愛を描き、団塊世代にエールを送る。大和田伸也氏(おおわだ・しんや)/俳優。1947年10月25日、福井生まれ。早稲田大在学中に演劇を始め、中退して自由舞台に参加。劇団四季を経て、NHK朝の連続テレビ小説『藍より青く』で人気を獲得。テレビドラマ、映画、舞台、ミュージカル出演に加え舞台演出、映画監督も務める。※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.09 07:00
週刊ポスト
団塊の世代では、1クラス50人以上は当たり前だった(写真/共同通信社)
江本孟紀氏、弘兼憲史氏、大和田伸也氏が述懐する団塊あるある「1クラスは50人以上」
 1947~1949年生まれの団塊の世代が、「後期高齢者」となる。社会保障費の負担増などを懸念する声が多いが、“当事者”はどう捉えているのか。今年、75歳を迎える江本孟紀氏(野球解説者)、弘兼憲史氏(漫画家)、大和田伸也氏(俳優)の3人が集い、若き日によくあった「団塊の世代」ならではのトークを展開する──。【全3回2回目。第1回から読む】 * * *江本:僕は(がんの摘出手術で)胃と脾臓がないのに、なぜかモノを食べられる。手術後にようやく普通の人の2倍くらいの食事量に減ったんです。もともと人の何倍食ってたんだと(苦笑)。大和田:僕らの世代は“食いしん坊”が多いですよね。常に人が多くて、とにかくしっかり食べておく習性が身についた。弘兼:小学校の時、何クラスありました?大和田:校舎を建て増しして7クラスから一気に15クラスに増えました。1クラスは50人以上。地元は福井県敦賀市で、当時の人口が5万人くらいでしたが、学校では教室にすし詰めですよ。弘兼:僕は山口の岩国で、50人8クラスでしたね。どこ行っても競争。覚えてます? 大学受験の時に私大は軒並み倍率30倍ですよ。先生が“現役で入らないと来年はもっと受験生がいるぞ。死ぬ気でやれ”と言われて、必死で現役合格しました。江本さんはプロになるまで、凄い競争ですよね?江本:高知商業は16クラスあって、1クラス58人でした。それでも野球部はひとつだし、監督も1人。何かを教わる機会なんてないので、とにかく隣の奴に勝つしかない。──皆さんは高校まで地方で、大学から上京したという点も共通項です。大和田:東京に出て最初に住んだのが田無。田んぼのそばに新築のアパートがズラッと並んでいましたね。どの部屋も2畳で、全部埋まっていた。弘兼:地方から来た学生は3畳1間が多かったですよね。2畳は狭いな。江本:僕は野球部の合宿所で6畳1間に4人でした。“牢名主”の4年生がいて、布団がびっちり。メシは老夫婦が作ってくれるんですが、最高のご馳走の時でさえ、薄い薄いカツフライが1枚だけ。弘兼:いわゆる紙カツだ。江本:最低の時は干した大根を煮たのがメインで、味噌汁に大根の葉っぱが入っている。あとはタクアンが2切れ。弘兼:“おしん”の世界じゃないですか。それでも法政は滅茶苦茶強かった。プロには進まなかったけど、ピッチャーの山中正竹さんが凄くて。江本:4年で48勝でした。弘兼:早稲田は2回くらい優勝したけど、あとは全部法政ですよ。提灯行列では法政の学生になりすまして一緒に歩いてビールを飲んだから“法政、おお、我が母校~”という校歌まで覚えた(笑)。江本:でも、大学の時が一番食えなかったですね。近所で1斤45円の食パンをよく買っていましたよ。大和田:僕は近所の八百屋さんと仲良くして、腐りかけた野菜をもらいましたね。大きな鍋で煮込んで、発売になったばかりのチキンラーメンを1個入れるだけで美味しかった。狭いアパートの部屋で芝居仲間と演劇論を語りながら鍋をつついたのは最高のご馳走でした。江本:鍋でいうと合宿所では春や秋のシーズンが終わると、1回だけすき焼きの日があるんです。4年から順に食っていくんですが、1年は糸コンしか残ってない(笑)。弘兼:団塊世代は貧しい時代もバブルも知っている。面白い人生ですよね。(第3回に続く)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/野球解説者。1947年7月22日、高知生まれ。法政大から熊谷組を経て東映に入団。2年目に南海に移籍し、エースとして活躍。阪神に移籍後、「ベンチがアホやから野球がでけへん」の言葉を残して退団。引退後は政界に進出し、現在は辛口評論家として活躍。弘兼憲史氏(ひろかね・けんし)/漫画家。1947年9月9日、山口生まれ。早稲田大で漫画研究会に所属し、松下電器産業(現・パナソニック)に入社。3年後に退職して漫画家の道に進む。代表作『島耕作』シリーズに加え、『黄昏流星群』では中高年の恋愛を描き、団塊世代にエールを送る。大和田伸也氏(おおわだ・しんや)/俳優。1947年10月25日、福井生まれ。早稲田大在学中に演劇を始め、中退して自由舞台に参加。劇団四季を経て、NHK朝の連続テレビ小説『藍より青く』で人気を獲得。テレビドラマ、映画、舞台、ミュージカル出演に加え舞台演出、映画監督も務める。※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.08 07:00
週刊ポスト
今年75歳を迎える(左から)江本孟紀氏・弘兼憲史氏・大和田也伸氏
江本孟紀氏・弘兼憲史氏・大和田也伸氏 団塊世代が語った「後期高齢者」のリアル
 1947~1949年生まれの団塊の世代が、「後期高齢者」となる。社会保障費の負担増などを懸念する声が多いが、“当事者”はどう捉えているのか。今年、75歳を迎える江本孟紀氏(野球解説者)、弘兼憲史氏(漫画家)、大和田伸也氏(俳優)の3人が集い、「これまで」と「これから」を大いに語り合った。【全3回の第1回】 * * *弘兼:同じ1947年生まれですが、誕生日順で江本さんが一番“お兄ちゃん”になって、僕、大和田さんと続くみたいですね。江本:僕も調べましたよ。自分が一番歳上やなと。大和田:よかった、一番下の弟なんですね(笑)。弘兼:学生時代は神宮に通いましたから、法政の江本さんの活躍はよく覚えています。大和田さんとは初めましてですね。大和田:僕はいつも作品を拝見していますよ。弘兼:同じ年に早稲田に入学したご縁もある。よろしくお願いします。今日は我々が今年から「後期高齢者」ということで声がかかったようです。江本:どうなんですかね。外国でも年寄りのことを後期高齢者みたいな呼び方で区別するんですかね。弘兼:年金や健康保険の関係の区切りなのかな。江本:日本人はやたらとそういう枠に入れたがる。弘兼:同じ年齢でも個人差はあるはずですからね。大和田:役者をやっているとどうしても役どころで考えちゃうので、僕なんか年齢を忘れてしまうんです。というのも、これまで一度も「おじいさん役」をやったことがなかった。病院長や大物政治家はやりましたが、「お父さん役」までだったんです。それがこの前の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で初めてヒロイン(上白石萌音演じる安子)の祖父役をやりました。ようやく“おじいさんの歳なんだな”と自覚しましたよ。弘兼:笠智衆さんは32歳から老け役をやったそうですが、大和田さんは見た目が若いから。ところで、みなさん地毛?江本:地毛です。大和田:地毛ですけど、染めています。『カムカム~』に出ていた時が染めていない状態です。弘兼:僕は去年、コロナのデルタ株に感染した時にもの凄く脱毛しちゃいまして。やばいと思って育毛剤をせっせと振りかけたんです。そうしたら前よりも増えちゃった(笑)。大和田:僕は役者だから見た目の年齢を管理するのが仕事ですけど、お2人も大変お若いですよね。弘兼:右手はシミだらけです。日に当たるのはゴルフくらいで、グローブをしない右手だけが焼けている(苦笑)。ゴルフはどのティから打つ?──75歳以上は免許更新も厳しくなります。皆さんは返納を考えますか?江本:僕は68歳で大型二輪の免許を取って、ハーレーダビッドソンに乗ってます。まだまだこれからですよ。両手両足を動かすから、ボケ防止にはバイクが一番でしょう。弘兼:個人差があって、80歳を超えてバリバリ運転できる人もいますから。ここに集まった人はまだまだ元気に仕事をしているし、大丈夫でしょう。大和田:僕もずっと運転はしています。ただ、去年の更新時に次は認知機能検査があったりして大変だと聞きました。江本:そうそう、認知症の試験には16個の絵を見せられて、あとで何があったかを思い出させる設問があるそうです。家でやってみたら3つくらいしか答えられなかった。これは難敵ですよ。大和田:ただ、役者としては、認知症テストは自信がありますけどね。弘兼:たしかに大量のセリフを覚えますもんね。大和田:水戸黄門の格さん役の時は、印籠を出してお決まりのセリフを言えばよかったけど(笑)、社会派の作品だと苦労します。自分のセリフを紙に書き出し、それを撮影ギリギリまで何度も読む。若い人もそうしています。江本:そうして鍛えている人たちにも、テストなんて必要あるのかな。弘兼:僕も普段は運転しますが、ゴルフの時は誰かに迎えに来てもらう。帰りがウトウトして危なそうなので。江本さんはゴルフやってますか?江本:コロナが流行りだしてから増えて、月に7~8回は行きますよ。ゴルフ帰りに眠くなったら、サービスエリアで寝ます。眠気を抑えるためにプレー後に湯船には入らないとか、そういう注意を払って安全に運転できればいいんです。後期高齢者だから返納しろというのはどうかと思います。弘兼:ゴルフのほうは?江本:5年前に胃がんの手術をしたあとは一番柔らかいRシャフトで打っていたんですが、それがSRになり、Sになった。そろそろXかなと。弘兼:じゃあ、まだ250ヤードは飛びますか。江本:いやいや200ヤードそこそこですね。これが悔しいんですよ。弘兼:僕も昔は飛んだんですが、今はいい当たりをしても220~230。若い人に軽くオーバードライブされてね。“ある意味、成長している”と考えるようにしています。江本:僕らは負けん気が強いので“クソ!”と思っちゃう。最近、70代後半の大橋巨泉さんの弟さんとラウンドすると、ゴールドティから打つんですよ。“1人だけゴールドだと嫌じゃないですか?”と聞いたら、“いやいや、セカンドでグリーンが狙える位置まで飛ばせるところからドライバーを打つのが、ゴルフの正しい遊び方ですよ”と言われました。その時はなるほどと思いましたが、やっぱりゴールドからは打ちたくないな……。弘兼:ボクは青のバックティからやります。ゴールドは嫌でしょう。ジャンボ(尾崎)さんがシニアツアーに出場しないのと似てますかね。大和田:お2人ともお元気だ。僕は坐骨神経痛で医師からストップがかかり、泣く泣くクラブを置きましたよ。(第2回に続く)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/野球解説者。1947年7月22日、高知生まれ。法政大から熊谷組を経て東映に入団。2年目に南海に移籍し、エースとして活躍。阪神に移籍後、「ベンチがアホやから野球がでけへん」の言葉を残して退団。引退後は政界に進出し、現在は辛口評論家として活躍。弘兼憲史氏(ひろかね・けんし)/漫画家。1947年9月9日、山口生まれ。早稲田大で漫画研究会に所属し、松下電器産業(現・パナソニック)に入社。3年後に退職して漫画家の道に進む。代表作『島耕作』シリーズに加え、『黄昏流星群』では中高年の恋愛を描き、団塊世代にエールを送る。大和田伸也氏(おおわだ・しんや)/俳優。1947年10月25日、福井生まれ。早稲田大在学中に演劇を始め、中退して自由舞台に参加。劇団四季を経て、NHK朝の連続テレビ小説『藍より青く』で人気を獲得。テレビドラマ、映画、舞台、ミュージカル出演に加え舞台演出、映画監督も務める。※週刊ポスト2022年6月10・17日号
2022.06.07 07:00
週刊ポスト
「ハーレー」でキャンプ取材にも
68歳で大型二輪免許取得の江本孟紀氏(74)免許返納は「年齢だけで判断するな」
 75歳以上のドライバーの免許更新に、新たに「運転技能検査」が加わった。「認知機能検査」を受ける義務もあり、免許更新のハードルが上がっている。警察庁が「免許返納」を勧めている流れもあるが、「それでも免許は返納したくない」という人たちもいる。野球評論家・江本孟紀氏(74)に聞いた。 * * * 19歳で運転免許を取得して、プロ入り後はずっと運転しています。68歳で大型二輪の免許も取得しました。それで沖縄キャンプ取材の移動を、借りた1500ccハーレー・ダビッドソンで試したこともあります。 ハーレーに乗るために握力と筋力を鍛えようとジムに通い、ウォーキングもしました。バイクに跨るのは車の運転に比べて緊張感があり、老化防止にもいいと思います。 沖縄で試して自信がつき、ハーレーを購入しました。最近はキャンプ取材も車で回りますが、当時はちょい悪オヤジの感じでハーレーでキャンプ地に行っていたため、周りから不良解説者と呼ばれていました(苦笑)。 健康維持のためのゴルフや旅行にも車の運転は欠かせませんから、免許の返納はしません。ちなみに、今乗っているのはベンツです。年寄りは遠出せず家に籠もっていろというのは、人権侵害もいいところです。 今年の7月に後期高齢者になりますが、運転能力は運動神経と同じで個人差がある。ボクを見て後期高齢者という人はいません。年齢だけで判断するのはいかがなものか。 最近のプロ野球選手を見て、これだけ“昔の野球は……”とボヤいている野球評論家に認知症のテストをするのは経費の無駄遣いでしょう。ただ年寄りから運転免許を返納させたいだけだとしたら、とんでもない話です。 煽り運転のようなケースを厳罰にして、免許を取り上げればいいのではないでしょうか。※週刊ポスト2022年6月3日号
2022.05.24 19:00
週刊ポスト
江本孟紀氏らは、ワクチン4回目の接種についてどう考えている?
江本孟紀氏、荻原博子氏、森本英世氏 ワクチン4回目「打ちたくない」人の本音
 2回のはずが3回になり、さらに4回目が取り沙汰されているのが新型コロナウイルスのワクチンだ。正直なところ、「もう打ちたくない」と考える人も出てきている。 また打つのか──と戸惑った人も少なくはない。厚労省は4回目のワクチン接種準備を5月下旬までに終えるよう全国の自治体に通知した。 昨年12月に開始した3回目の追加接種は、国内全体の接種率は46%で、65歳以上は85%にのぼる(4月12日時点)。 そんななかで進められている「4回目接種」だが、専門家の意見も割れている。すでに開始しているイスラエルではオミクロン株に対しては感染防止効果は不十分とする研究報告も出ている。3月24日に開かれた厚労省の分科会でも「4回目が本当にすべての人に必要か議論すべきだ」といった慎重な意見も相次いだ。 ナビタスクリニック理事長の久住英二医師が語る。「2回接種後以上に抗体を高めることができるのが3回目接種でしたが、4回目接種は時間とともに下がってくる抗体価を再び上げて、より長く維持させるための接種となります。 そのため60歳以上の高齢者、基礎疾患がある人など重症化リスクが高い人は、4回目も受けたほうがよいとされています。それ以外の人については、3回目接種でも重症化を防ぐとみられているため、どのような人を対象にするのが最もメリットがあるのか世界中で検証されているところです」 これまで3回目の追加接種までは済ませた人でも、4回目となると躊躇してしまうところはあるだろう。「打った」と言うために打つ 野球評論家の江本孟紀氏(74)は「4回目を打てというなら打ちますけどね」と前置きしてこう明かす。「取材現場ではワクチンを打っていないと入れないところがありますし、3回目接種をしても、東京ドームに取材に行くたびに、抗原検査をやらないといけない。そんなご時世ですからね。 ワクチンは打っても打たなくても同じだとオレは思っている。ただ、ワクチンを打っておけば仕事に支障はなく、何回やってもタダ。ワクチンの副反応もなかったから、それなら5秒ぐらい我慢してもいいかなというだけです。まったく意味がないと思っていますがね」 仕事や世間体から打てと言われれば打つものの、本音では違うということはある。飲食店に勤める男性(58)はこう語る。「人と接する仕事をしていますし、妻も介護施設で働いています。そうなると口が裂けても『打ちたくない』とは言えません。飲食店ではワクチン接種は“印籠”のようなもので、店やお客さんとの会話でも『打った?』という話になってしまいますからね。ただ、4回目はもう勘弁してくれ、と思っています。 今年2月に陽性になりましたが、基礎疾患もないので症状はほぼなかった。正直、コロナの症状よりも、ワクチンの副反応のほうがつらかったから打ちたいとは思えない。ただ、仕事先や周囲の人に『4回目も打った』と言うためだけに、不本意ながら打つことになるでしょう」 もはや、何のためにワクチンを打つのかわからなくなってきたという。「私自身、3回目接種はしましたが、4回目のことは頭にありません」 そう語るのは経済ジャーナリストの荻原博子氏(67)だ。「副反応などからワクチン接種自体を怖がっているわけではありません」という荻原氏は、4回目接種よりも他に講じるべき対策があると語る。「伝えられるところでは、4回目ワクチンの効力は低いという報告もあるじゃないですか。今のオミクロン株は、油断してはならないけれど、感染しても軽症の場合が多いと言われます。そうしたなかで何も考えずにただワクチンを打てばよいという政府の発想は疑問です。 本来は3回目接種を徹底することと、オミクロン株のような感染力の強い状況に対応することが優先のはずです。入院や隔離の方法など、感染者やその家族などに的確にできるような体制を整えることのほうが必要でしょう。だからワクチン4回目は、今必要な対応ではないと思います」3回接種後に感染 重症化阻止という観点から「今後も4回でも5回でも6回でも打つ」と語る中高年がいる一方で、すでに4回目を「打たない」と決めた人もいる。流通会社役員(67)はこう語る。「まだ現役で会社にも行かないといけないから義務だと思って3回目も打ちましたが、2回目と同じように激しい頭痛と発熱で2日ほど寝込みました。今も偏頭痛のようなものが残っていて頭の中がすっきりしない。頭痛外来にも行きましたが、ワクチンの副反応とは診断してもらえなかった。 そんななかで4回目を打つとどうなるのか、恐怖でしかない。副反応がなければ何回でも打っていいと思いますが、次は命にも関わるのではないかと本当に考えてしまう。仕事のことで迷ってはいたが、4回目は打たない選択をするつもりです」 進んでワクチン接種をしていたものの、コロナに感染したことによって考えが変わることもある。自営業の男性(70)はこう語る。「親しい人に“反ワクチン”の人もいましたが、僕は積極的に打っていました。健康体とは言えないし、それが大人のたしなみだと思っていました。ところが、3回目を打った2週間後にオミクロン株に感染しちゃったんです。会食の約束をしていた人に連絡したら『3回目打ったばかりなのに感染しちゃったの? そんなもんなんだ』と驚かれて、僕のショックも相当大きかった。幸いにも症状は発熱ぐらいだったから自宅療養で済みましたが、それだったらいつまでもワクチン、ワクチンとしなくてもいいんじゃないかなという境地になりましたね。4回目もあるなら5回目もあるでしょうし、キリがない。“4回目はもうやらない”と会社の人間や家族には伝えました」 ところが、「打たない」と決めていても、周囲への配慮が必要なことを痛感しているという。「会社の人間からは、『打たないことを外では言わないでくれ』とそれとなく注意されました。妻のほうはもっとキツくて、『打たなくても結構ですけど、誰かに聞かれたら打ったと答えてくださいね』と。確かに、仕事関係者や会食相手の顔を浮かべると、4回目接種が始まってそういう話題になったら、僕も『打つ』と言うと思います」歌に支障が出る そんななか、「タイガーマスク」の主題歌や、敏いとうとハッピー&ブルーのヴォーカルとして知られる歌手の森本英世氏(73)は「4回目は打たない」と公言する。「もともとアレルギー体質で、ワクチンには副反応があると聞いたので不安がありました。が、亡くなる人や入院患者が増えていき、新型コロナに感染して肺炎の症状が出てしまうと歌手にとって致命的だと考えて、打つことを決意しました。 2回目も『嫌だなぁ』と思いながら打ちましたが、3回目の時は接種率がすぐに伸びなかったこともあり、できれば回避したいと思っていました。ただ、感染者数がまた伸びて自治体やボランティアの方から誘われたこともあって打ちました。そしたら38度5分の高熱が出て食欲も落ち、数日間療養しなければならなくなった。そうなると今度はワクチンの副反応で歌えなくなったらどうしようと心配になったのです」 コロナ禍のこの2年間、森本氏は発声練習などを一からやり直し、体力作りにも励んでいた。今年は、感染対策を万全にしながらコンサートの開催も計画しているという。「そんななかで4回目接種の議論が出てきました。それで感染や重症化を防げるのかもしれないが、もっと強い副反応が出て歌に支障が出るかもしれない。そう考えると、打とうとは思えなくなっているんです。現時点では、私は歌のために4回目接種はやめようと考えています」 この多様な考え方を見ても、ワクチン政策が岐路を迎えているのは間違いない。※週刊ポスト2022年4月29日号
2022.04.18 19:00
週刊ポスト
新庄氏の現役時代に指導した元阪神監督・藤田平氏は今をどう見る?(写真/共同通信社)
新庄日本ハムは「シーズン100敗」するのか? 藤田平氏と江本孟紀氏が論評
 BIGBOSSとして日本ハムを率いる新庄剛志監督だが、開幕ダッシュに失敗してチームは低迷、「シーズン100敗」の可能性まで指摘されるようになった。 その新庄氏の現役時代に、練習への遅刻を咎めて正座させるなど、厳しい指導で“鬼平”の異名を取った元阪神監督・藤田平氏は、「100敗までするかはわからんが、戦力が足りないから順位は最下位やろうね」と話す。「若い選手が多いだけに、乗ってきたら突っ走るかもしれんが、ひとつ歯車が狂うと泥沼にはまる。正直、読めまへんわ。今のところ新庄はうまく若手を乗せてやっているが、シーズンは長い。やっぱり理解しがたいのは投手陣の使い方。このままではへばってしまわへんかな。しかも正捕手も固定されていない。選手はコンディション作りも大変やと思いますわ」 独特な采配についても、厳しい見方を取る。「セオリーを無視して負け続ければ批判は出てくる。たしかに予想外のことをやれば目立つが、勝たないといけないのがこの世界。4月3日のオリックス戦で同点の8回裏、1死二、三塁の場面で吉田正尚を3ボールから歩かせず勝負して、守備のミスもあって決勝点を取られた。ああいうことが積み重なった時がどうなるかやね。ただ、球団が1年目はこんなもんやと納得するなら、何敗してもええということになるんやろね」(藤田氏) プロは勝ちを求められて当然だが、それを求められないなら「100敗」さえあり得るという話になってくるのだろうか。 辛口評論で知られる江本孟紀氏は、「日本ハムの順位予想はもちろん最下位ですよ。他に沈むチームが見当たりませんからね」としたうえで、こんな言い方をする。「新庄は戦力的に弱いことがわかっているから、とにかくかき回そうとしている。それに評論家が100敗するとか、しないとかは屁みたいな話ですよ。他の5球団の監督が新庄にまともにやれとビシッとモノを言えばいい。それを言うと新庄に噛みつかれ、かき回されるかもしれないから、口を開こうとしない。それが問題です。誰かとケンカして盛り上げるくらいじゃないと、新庄がいる意味がないでしょう」 100敗論争が盛り上がることこそが、むしろ新庄監督の望むところなのかもしれない。※週刊ポスト2022年4月22日号
2022.04.10 19:00
週刊ポスト
達川光男氏が広島カープ注目選手にもコメント
江本孟紀×中畑清×達川光男「広島ドラ6・末包昇大は誠也より飛ばすが…」
 いよいよ開幕を迎えるプロ野球開幕。江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏という大物球界OBの3人が、本誌・週刊ポストの座談会に臨んだ。3人の順位予想は? そして、注目選手は? 【全4回の第4回。第1回から読む】 * * *江本:表向きの順位予想ではヤクルトとオリックスの優勝。2年連続優勝で初めて価値があるからね。ただ、おそらくコケるから、本音ではセは巨人、パはソフトバンクの優勝だと思っているけど。達川:うーん、ボクは巨人は最下位予想なんですよ。去年の9月の戦い方を見たら弱すぎますよ。中畑:あれは中田翔の影響があったと思うけどね。選手たちが試合に集中できない空気が敗戦につながったんでしょう。オープン戦を見る限り、それはかなりクリアできたんじゃないかと思う。中田が感謝の気持ちを持っているということが大きいよね。だから、オレの優勝予想は巨人。悪いけどOB会長なんでね。達川:ピッチャーはおるんですか? 菅野も山口(俊)もメルセデスも厳しいと思いますよ。中畑:たしかに10勝すれば10敗する投手陣ではあるんだよね……。達川:その点、広島はピッチャーがええんです。森下(暢仁)、大瀬良(大地)、九里(亜蓮)は2ケタが期待できる。あいつらはブルペンに入ったらずっと投げ込んでいる。あと制球力がよくなってパームボールを習得した床田(寛樹)も勝つよ。江本:広島のドラ6は? 鈴木誠也の穴を埋めるとか。達川:末包(昇大)ですね。スイングだけは一流。ロングティをやらせると鈴木誠也より飛ばす。ただ、インコースの低めしか打てない(苦笑)。そこに投げてやると場外です。中畑:巨人とのオープン戦で打ったホームランは凄かったね。達川:だが当たらん。体だけは強くて昔の新井貴浩みたい。飛ばせるのは魅力ですけどね。江本:日本ハムの話題ばかりだけど、パはやはりソフトバンクでしょう。中畑:チーム力はナンバーワンだし、新監督の藤本(博史)は選手から慕われているらしいね。達川:藤本はいい。マジメできっちりした前任の工藤(公康)と真逆。藤本監督になって変わったのは上林(誠知)。これは打つよ。工藤はピッチャーだからボール球を振ることをすごく嫌って上林と合わなかったけど、藤本はワンバウンドの球でも打てというタイプで生き返ったよね。柳田(悠岐)も藤本のために優勝すると張り切っている。中畑:相当の信頼関係があるらしいね。達川:二軍も三軍も見たことがあって、支配下だけでなく、育成までみんな知っている。裏方にも顔が利く。あと、新外国人のガルビスがいい。カルピスみたいな名前だけど、これがショートで、両打ちで足も速い。工藤は今宮(健太)をショートから外さなかったけど、もう絶対的な存在ではない。今宮がオープン戦でヘッドスライディングをしていましたが、初めて見ましたね。それぐらい必死になっている。江本:ソフトバンクは適材適所で強いと思う。ぜひ、新庄の日本ハムばかりが目立つのではないシーズンにしてほしいね。(了。第1回から読む)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1970年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1975年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1977年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年4月1日号 
2022.03.22 07:00
週刊ポスト
今年の阪神はどうなる?(時事通信フォト)
阪神が“予祝”で矢野監督の胴上げ予行練習の違和感 「阪神は豊作を願ってるのか?」
 3月のプロ野球開幕を前に、江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏という大物球界OBの3人が『週刊ポスト』の座談会に臨んだ。原巨人、そしてキャンプイン前に今季限りでの退団を発表した矢野燿大監督率いる阪神への評価はいかに?【全4回の第3回。第1回から読む】 * * *江本:戦力は整っているはずの巨人は本来、話は簡単。優勝するにはクリーンアップが打ち、菅野が20勝すればいいだけ。ただ、丸(佳浩)を1番に置くと、2番に苦労する。ボクなら2番に川相(昌弘)みたいなタイプを入れますね。吉川(尚輝)を入れてもバントもできないし、粘り強いバッティングができるわけでもない。“ただのいいバッター”ですからね。中畑:原監督もそこが悩みだろうね。吉川の能力は認めているが、状況判断の中で役割を果たせず、非常に淡白だと気にしている。いっそ、“バントができない”で終わらせずに、やらせればいいんだと思うよ。達川:できなくてもサインで動かせばいい。中畑:サインを出して失敗したとしても、もっともっとやらせないと選手は変わっていかない。江本:それもせずにメジャーの2番最強打者論に迎合して坂本(勇人)を2番にしたりした。なんでもメジャーの真似じゃダメ。松原(聖也)を2番に据えても、やはり小技ができない。ランナーがいると外野フライを狙っていたから、ボクが解説の時は“ホームランバッターの松原さん”と言ってやりましたよ。何がやりたいのかわからんね。達川:わからんといえば、阪神の矢野(燿大)はなぜキャンプ前に今季での退団を発表したのか。中畑:これまでそんな監督いたかな。江本:いませんよ。辞めようと思っても、口に出して言ったらダメ。キャンプで糸井(嘉男)と西(勇輝)が音頭をとって矢野監督の胴上げの予行演習をした。目標達成を前もって祝い、現実を引き寄せる“予祝”と呼ばれるものだと言っていたけど、“予祝”は豊作を祈ってやること。阪神は豊作を願ってるの? 学がないのがちょっと聞きかじってやるから恥ずかしいことになる。中畑:監督が辞めると言ってしまうと、コーチだって大変だよ。達川:矢野が呼んだコーチは覚悟せんといかん。江本:阪神は守護神のスアレスが退団し、その後釜が決まっていない。42セーブのスアレスがいないとBクラスですよ。藤浪の復活だって、なかなか厳しい。ノーコンを治すには温故知新。治った人のことを見ないと。中畑:江本さんは何シーズンも最多与四球、最多死球、最多暴投などの“タイトル”を獲った。治った江本さんに聞かないと。江本:オレのは治っていない(笑)。ただ、やり方があるんです。力の入れ具合とかね。簡単なんです。毎日フリーバッティングで30分ぐらい投げて、相手のバッターの芯に当たる球をテンポよく放っていく。これをやればノーコンは治る。中畑:そういえばエモやんの現役時代のフォームって藤浪と似てない?達川:似てる、似てる。江本:インステップだからね。インステップだとなかなか右バッターの外角に持っていけない。リリースポイントまで力を抜ければまだ持っていけるが、藤浪はその前に力が入ってしまっている。中畑:教えてやったら?江本:だって聞きに来ないもん(笑)。(第4回につづく)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1970年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1975年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1977年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.20 19:00
週刊ポスト
新庄監督も叱咤激励
新庄監督率いる日ハムの順位は? 江本孟紀氏「当然、最下位です」
 3月のプロ野球開幕を前に、江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏という大物球界OBの3人が『週刊ポスト』の座談会に臨んだ。ビッグボス・新庄剛志監督率いる日本ハムの順位はどうなるのか、3人の見解は──。【全4回の第2回。第1回から読む】 * * *中畑:注目はやっぱり新庄(剛志)監督だよ。話題になったし、オープン戦で結果も出た。江本:開幕まではいいですよ。ただ、最終的には結果で問われる。プロ野球にプロセスはいらない。中畑:この世界、それが厳しいんだよね。キャンプを見る限りは悪くない。日本ハムは若い選手が多いだけに、新庄イズム、ビッグボスイズムが浸透しやすい。ノリがいいというのかな。オープン戦では万波(中正)が一面ジャックしたけど、ノリがよければ勢いがつく。投手交代もうまいんだよ。防御率が1点台で打率は2割そこそこ。打てなくても勝てるというのは野球の理想形。それを実践しているのが面白い。江本:あとの5球団の監督が“コノヤロー”と思わないとダメでしょう。中畑:口には出さないけど思ってるんじゃない?江本:本当に他球団の監督は大変だと思いますよ。宮崎でのキャンプ2日目に巨人の原(辰徳)監督と対談した時、「窮地になったらオレが(新庄を)助ける」と開口一番言いましたよ。その時点では“日本ハムは戦力的に大変だな”と思っていたんでしょう。それが今は“交流戦あたりでやられたらイヤだな”と思っているんじゃないですかね(笑)。達川:スター選手がいないといっても、上沢(直之)や伊藤(大海)といった好投手もいる。巨人だって負ける可能性はあるからね。江本:ただ、室伏広治とか外部コーチを呼んだのは、話題性はあっても効果はどうかなと思う。キャンプで少し話を聞いたくらいでは、自分のものになるとは思えませんよ。中畑:清宮(幸太郎)の指導を中日の立浪(和義)監督に頼む場面もあったけど、あんなことはよくある話だしね。本来は見えないところでやるべきことだろうけど。江本:今は仲良しだから何でもありなんです。昔は敵のチームはケンカ相手だった。昔は……と言うと批判されるが、ちゃんと今と比較しないと。阪神の藤浪(晋太郎)が巨人の菅野(智之)や山本昌に弟子入りしても、全く進歩していない。ちょっと教えてもらったくらいじゃダメなんですよ。達川:そんな日本ハムの順位はどう見ます?江本:当然、最下位です。中畑:オレはまだわからないな~。江本:最下位でもいいんですよ。新庄監督がどうこうでなく、戦力で判断しました。(中畑氏と達川氏を指さして)この優秀な2人でも戦力がないと優勝できないんですから。中畑:(記者を見ながら)今のちゃんと書いてくれよ! なぁ、達ちゃん!達川:まあ、ボクも日本ハムは最下位だと思いますね。去年はなんとか5位になったけど、戦力がないですよ。投げるほうはそこそこでも、打つほうがね。江本:最下位予想でいいじゃない。去年、オレがオリックスを最下位に予想したら、優勝ですよ。日本ハムも最下位に予想されたのを光栄に思って、優勝できると期待を持ってくれればいい。中畑:うまく逃げるね~。達川:江本さんは一応、日本ハムのOBだから。江本:(前身の)東映フライヤーズに1年いただけで、OB会にも行ってないけどね(笑)。(第3回につづく)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1970年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1975年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1977年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.19 19:00
週刊ポスト
江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏が座談会
江本孟紀×中畑清×達川光男OB座談会「桑田コーチの練習法に疑問」
 いよいよ3月25日に開幕を迎えるプロ野球。オミクロン株の流行とキャンプが重なったが、ビッグボスこと日本ハムの新庄剛志監督がどんな手腕を発揮するかなど注目ポイントは満載。江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏という大物球界OBの3人が語り合った。【全4回の第1回】 * * *江本:キャンプは沖縄に10日間いたけど、(2人とは)会わなかったな。達川:ボクも北谷に10日間いましたよ。中畑:オレは全部中止だよ。1月31日にPCR検査も受けて、ボストンバッグを宮崎に送っていたのにテレビ局が中止にしましょうと。江本:行ってもコロナ対策で見る範囲が限られて、取材は上っ面になっちゃうよ。オレは普段、裏方から情報を取るんだけど、そういうのが難しくて。達川:ブルペンキャッチャーに聞けば新人の評価は一発だし、バッティングピッチャーは打てるところに投げてやるのが仕事だから、欠点も見えている。話を聞ければマスコミ報道と全然違う評価がわかるんだけどね。江本:しかも、どういう意味かわからないけど、阪神なんか3か月前から来てくれるなと言うわけ。キャンプ用の帽子とかのグッズだけ送ってきた。中畑:うーん、エモやんは問題児だからね。江本:江夏(豊)と田淵(幸一)と、この3人は来てくれるなと……(一同爆笑)。達川:ボクはキャンプ取材のためにPCR検査を12回も受けました。江本:アホみたいな話ですよ。達川:携帯に検査結果を入れておいて、それを見せるんですけど、有効期限が切れているのを忘れていたら、受付も気づかずそのまま通れちゃった。翌日は切れていると指摘されたけど(苦笑)。江本:でもね、おかしいのはコロナ対応だけじゃない。最近のキャンプは異常ですよ。ある球団では“投げ込め”“走り込め”と言っちゃダメだというんです。じゃキャンプで何をするんだと言いたい。中畑:ケガをさせないことがいい選手への近道だという考えなんだよね……。オレはノックでは捕れないところに打つのが好きで、言葉は悪いがイジメが一番鍛えられる。そうやって守備範囲を広げていくものなのに、今の選手はユニフォームが綺麗。1日練習してもほとんど汚れていない。 キャッチャーの達ちゃんだって、ピッチャーのいい球が長続きするかはブルペンで球を受け続けてみないとわからないんじゃないの?達川:ええピッチャーは100球ぐらいから球がどんどん来るようになる。江本:そうだよ。オレなんか180球ぐらいから球が走るからね。中畑:試合が終わっちゃってますがな(笑)。江本:それにしても投げさせないし、さしたる能があるとは思えないコーチが多い。現役時代に過酷な瞬間を味わったことがないのがコーチになっているわけだから。中畑:名前出していないけど、誰かのこと?江本:桑田(真澄、巨人投手チーフコーチ)じゃないよ(笑)。桑田は投げ込んで完投もしてきた。自分のやってきたことを言えばいいと思うけどね。 ただ、桑田がブルペンでホームベースを前に置いて投げさせていたのはどうかな。キャンプというのは監督やコーチの発表会なんです。奇抜な練習を取り入れるけど、身になるようなことはない。責任を取らされないので、ただ目立とうとする。中畑:それはあるよね。マスコミに取り上げてもらわないといけないから。(第2回につづく)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1970年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1975年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1977年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年4月1日号
2022.03.18 19:00
週刊ポスト
団塊の高齢化で日本の人口ピラミッドは激変
2025年に後期高齢者になる団塊世代 弘兼憲史氏、江本孟紀氏らの声
 2025年に日本社会は大きな転換点を迎える。これまで社会、経済、社会保障から文化まで強い影響を与えてきた「団塊の世代」の約800万人が後期高齢者となり、国民の「5人に1人」が75歳以上、65歳以上は人口の3割を超える“超超”高齢化社会に突入する。わずか3年後に迫った。 75歳以上の後期高齢者は1990年には597万人(人口の5%)にすぎなかったが、2025年には2180万人とざっと4倍に増えると予測されている。それに対し、社会保障や経済活動の“担い手”である20~65歳の人口は同じ期間に1000万人近く減少している。30年前は「現役世代5人で高齢者1人」を支えていたのに、今から3年後には「現役1.8人で高齢者1人」を支えなければならなくなる。 この「2025年問題」は各所で指摘され、政治的にも重要課題になっている。「団塊の世代」はその上の世代の高齢者とは質的に大きく異なる。戦後のベビーブーマーである彼らは、人口が極端に多いために、生まれながらに日本の社会システムの転換を促してきた“変革者”だからである。『団塊の楽園』『世代論の教科書』などの著書がある未来ビジョン研究所代表・阪本節郎氏が語る。「敗戦という時代の変わり目に生まれ、民主主義や欧米のカルチャーに囲まれて成長した。とにかく人数が多く、小学校は1クラス60人くらいのすし詰め、入りきれずに階段を教室として使ったり、午前と午後に分ける2部授業もあった。競争が激しく、受験も睡眠4時間なら受かるが、5時間寝ると落ちる“4当5落”という言葉ができたほど。 戦後民主主義の自由の中で先を争って流行を追いかけ、物質的にも文化的にも我先に新しいものを手に入れようとする。そのパワーは“団塊の世代が歩いた後はぺんぺん草も生えない”と言われるほどであり、古い価値を引きずりながら新しい価値観を併せ持った世代でもある」 日本の教育インフラ、社会インフラはこの世代の成長に合わせて整備されていった。義務教育期間の延長で小中学校、進学率の高まりで高校、大学が増えた。住宅不足解消に公営団地が建設され、団塊の持ち家志向でニュータウン開発も進んだ。 社会に出るときには「金の卵」と呼ばれ、労働力の中核として日本の経済成長を支えてきたことは間違いない。「大消費者」でもあった。『島耕作』シリーズで団塊世代サラリーマンの出世物語を描いた同世代の漫画家・弘兼憲史氏(1947年生まれ)がいう。「我々の世代は消費意欲が旺盛で、巨大なマーケットだから経済的に常にスポットライトを浴びた。マンガの発展も、ときわ荘の漫画家たちが団塊世代を読み手として描き、我々がお小遣いで買えるようになると少年サンデーや少年マガジンなどが創刊され、社会人になるとビッグコミックのような青年漫画誌が登場した。しかし、団塊世代が高齢化して稼げなくなると、日本の消費も低迷して経済がしぼんでいった」 この世代には「オレたちが日本経済を支えた」(1949年生まれの元会社役員)という強烈な自負があるが、その影響は大きい。 企業では、大量採用した団塊世代の社員が管理職になる頃、ポストが足りずに部下のいない「担当課長」「担当部長」という役職が続々生まれた。 最も振り回されたのが年金制度だろう。団塊が年金の支え手だった時代は、豊富な保険料収入でサラリーマンの妻の「第3号被保険者」など国民皆年金制度が整備されたが、彼らの定年が近づくと、政府は慌てて年金支給開始年齢を65歳に引き上げ、65歳以降も働く人の年金をカットする「在職老齢年金制度」を導入した。受給者が多い団塊世代への年金支払いを減らすためだ。 団塊世代の高齢化とともに、年金制度は事実上の崩壊に向かっている。人間関係でもこの世代は他と異質だ。競争意識が旺盛で協調性に乏しいと指摘されることもある。現役時代は南海などでエースとして活躍し、「ベンチがアホやから野球ができへん」と発言して引退した江本孟紀氏(1947年生まれ)の同世代論である。「この世代の良さは、競争を勝ち抜いてきたという信念に強さがある。人の手を借りなくても自分でやってきた。逆にいえば、わがままで自分勝手。球界の同級生は堀内恒夫、鈴木啓示、谷沢健一、福本豊……名前聞くだけで本当に仲悪そうでしょう(笑)。球団に媚びないからコーチで呼ばれない。でも評論家としては好き勝手なことをいうから面白くて人気がある」 そんな世代が、支えられる立場になり、現役世代は「1.8人で1人」を支えなければならない。大丈夫かと心配になる。 ただ、前出の阪本氏はこうも指摘するのだ。「団塊世代は元気な人が多く、“人の世話になりたくない”とウォーキングやジム、ヨガに通うなど介護予防をする人が8~9割にのぼる。ここで多くの高齢者が要介護にならなければ、日本は変わるのではないか。2025年は団塊の世代が最後に世の中を変える機会になるかもしれません」※週刊ポスト2022年3月4日号
2022.02.18 16:00
週刊ポスト
水島新司さんと親交の深かった南海OBが思い出を振り返る(時事通信フォト)
追悼・水島新司さん 藤原満、江本孟紀、村上雅則ら南海OBが語る思い出
『ドカベン』『野球狂の詩』など数々の野球漫画を世に送り出した漫画家・水島新司さんが逝去した(享年82)。自身も大の野球ファンだった水島さんの贔屓球団は、『あぶさん』で描かれた「南海ホークス」。“登場人物”にもなり、付き合いの深かった南海OBが思い出を振り返る。「グラウンドにしょっちゅう来られていましたが、最初は何者か分かりませんでした。しばらくして漫画家だと分かったが、水島先生はあんな風貌だし(笑)、最初はその程度からのスタートですよ」 そう懐かしむのは、南海一筋で14年間プレーしたリードオフマン・藤原満氏(75)だ。1973年に連載が始まった『あぶさん』は、飲んべえの“代打屋”景浦安武(あぶさん)が南海ホークスに入団するところから始まる。作中では実在の選手が多数登場するが、藤原氏は「親友役」として描かれている。「連載が始まった時期と私がレギュラーになった時期が重なったからか、景浦とは同い年の同期入団、しかも親友という設定でした」(藤原氏) 水島氏は当時はまだ人気でセ・リーグに劣っていたパ・リーグに光を当てたことでも注目された。「あの頃のパ・リーグはお荷物とか言われて人気がなかったので感謝しています。南海の本拠地は大阪の下町でしたが、ミナミや西成といった庶民的な空気を含めて描いてもらったのも良かった。水島先生は徹底的に南海を取材していて、球場の看板からベンチ、ロッカーまですべて写真のように再現されていた。そのリアリティがたまらなかったですね」(藤原氏) 南海のエースとして活躍した江本孟紀氏(74)もこう語る。「漫画を読んでいなかったのですが、僕は一滴も飲めないのに、『飲んべえ』として登場していると周りから聞いたんです。それで水島先生が球場に来られた時に、“僕は飲めないんです”と伝えると、次からは下戸で登場してましたわ(笑)。ただ、それでも世間では僕は大酒飲みだというイメージが今でも定着しているようで、その影響力には恐れ入りますよ」 水島さんは南海選手に様々なサポートをしてきたことでも知られる。日本初のメジャーリーガー・村上雅則氏(77)はこんな経験を明かす。「取材にいらした水島先生から『スーツの仕立券』をもらったことがあるんです。その時はメジャー時代のことを聞かれて、色々とお話ししました。好奇心旺盛で、つい気を許してしまうような親しみがありました。仕立券はそのお礼でした。ストーリーに役立ったかは分かりませんが、とにかく研究熱心な方でしたね」※週刊ポスト2022年2月4日号
2022.01.24 11:00
週刊ポスト
巨人のOB会長も務める中畑清氏はどう見る?
プロ野球大物OBが2022予測「巨人の問題は選手の意識の肥満」
 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第3回】中畑:セリーグは中日の立浪(和義)新監督はどうかな。ヘッドが落合(英二)でコーチにノリ(中村紀洋)や森野(将彦)、二軍監督が片岡(篤史)と同世代で周りを固めた。逆にちょっと心配だよね。江本:「お友達内閣」は大体うまくいかない。でも、ヒゲ・茶髪禁止なんかは、立浪のスタイルだからいいと思うね。達川:かわいい顔して、気の強さは一番。1年目からレギュラーで出て、星野(仙一)監督から「挨拶するな」と言われていたから、打席で立浪から挨拶されたことがない。「立浪、PLでは挨拶も教わらんのか」と言ってやったら、黙ってガツーンと打ちやがった。気が強くて、意外とワンマン政権になるんじゃないか。江本:セでは昨シーズンは久しぶりに巨人をボロクソに言うことができましたわ。原(辰徳)政権の行き詰まりというか、菅野(智之)はじめポイントとなる選手が働かなかった。中田翔を獲得して失速したし、ことごとく裏目に出ている。中畑:オレはOB会長だからあんまり言えないわな。でも中田が入るまでは本当に勢いがあった。これからという時に、なんでという補強だったよ。オレはショックだった。達川:原監督は元木(大介)ヘッドに相談しているんかな。中畑:オレはOB会長としてここまでが精一杯だ。江本:あとはチームの肥満。選手の意識の肥満ですよ。恵まれすぎというのが滲み出て、試合に負けても悔しさが見えない。リリーフも出てくると必ずランナーを出す。自分でピンチを作っておいて、失点しなければ手柄を立てたかのようにベンチに帰ってくる。アホかと。達川:小林(誠司)もあのリードと成績で1億円をもらったらアカンよね。中畑:阪神はどうかな? 矢野(燿大・監督)は急に梅ちゃん(梅野)を使わなくなったよな。達川:ノムさん(野村克也氏)が現役時代の矢野のリードを見てマスコミに「最下位のキャッチャーだな」とボヤいていた。矢野は同じようにマスコミに梅野のことを言ったんだけど、免疫がないんですよ。あのあたりから関係がおかしくなった。矢野としては悪く言ったつもりはないけど、今の若い子は傷つくんだよね。江本:新聞を通じて言うのは一番よくない。中畑:褒めるのはいいが、叱る時は直接が鉄則だよ。達川:その点、DeNAの三浦(大輔)監督は上手い。桑原(将志)が巨人戦で9回2死から内野フライを打ち上げた時、相手野手がイージーフライを落球したのに全力疾走を怠っていた。三浦は桑原を呼んで、「お前はそんな選手じゃないから一生懸命走れ」と言って、試合から外さなかった。そこからガンガン走るようになった。これだよね。外野手出身でも名監督に江本:昨シーズンは12球団の監督で外野手は栗山(英樹)だけだった。日本ハムは3年連続5位だけど、栗山は日本一にもなっている。新庄は外野手出身だがどうだろうね。達川:ノムさんは「キャッチャーは名監督になる」と言ったが、そのキャッチャー出身監督で評判を落としたのが古田(敦也)、谷繁(元信)、そして達川光男(笑)。ノムさんもみんな称えているが、ヤクルトの9年で優勝4回は立派だけど、阪神で3年連続最下位です。江本:ただし成績と人気は別物。ノムさん時代の阪神は日本一となった1985年以来の観客動員だった。日本ハムも成績にかかわらず満員の可能性はある。達川:新庄は「支配下全員にチャンスをやる」と言ったからね。チーム全体が一生懸命やると思う。江本:新庄のように「最下位でもいい」という考え方が阪神の矢野監督にもあれば、佐藤輝明を育てられたと思う。佐藤を「掛布(雅之)、岡田(彰布)に育てる」と明言し、最下位になったら「すみません」と謝ればいい。矢野にそれぐらいの根性があればね……。中畑:オリックスのラオウ(杉本裕太郎)は、中嶋(聡・監督)が「心中します」と4番に据えたんだからね。最後は戦力だが、選手と心中する信念が監督にあるかどうか。それがないと、ダメなんだろうね。(第1回、第2回はこちら)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.10 07:00
週刊ポスト
最近の若手育成について語った
プロ野球大物OB座談会 「若手に無理をさせない風潮」をどう考える?
 プロ野球の「新監督」は常に注目されるが、今年は日本ハムの“ビッグボス”こと新庄剛志氏が話題を席巻。大物球界OBである江本孟紀(元南海ほか、野球評論家)、中畑清(元巨人、野球評論家)、達川光男(元広島、野球評論家)の3氏は来季の指揮官たちの手腕をどう評価するのか。【全3回の第2回】江本:それにしても、最近の若手育成はどうかと思うね。達川:広島の佐々岡(真司)監督はルーキーの栗林(良吏)に3連投させなかった。若い子に無理をさせない風潮はある。中畑:たしかにヤクルトの奥川(恭伸)のような高卒新人はわかるが、栗林は社会人出身だからね。達川:でも、中畑監督もDeNAでは山崎康晃を守護神でこき使って、今は全くダメでしょう。中畑:そうだった(苦笑)。江本:監督はそれでいいんですよ。どんどん使い捨てたらいい。延命させたところで、そんなに大した成績を残すわけでもない。今のピッチャーにはタマを投げさせないけど、70歳まで現役を続けさせるつもり? そのくせ、キャンプではチンタラやらせている。中畑:筒香(嘉智)が典型だったね。トレーナーが「手首の靱帯が伸びて100スイング以上したら切れる」と言ってきたから「バカか」と怒鳴ってやった。「その程度で使えなくなる奴に4番は任せられない」とキャンプに連れていかなかった。江本:その点、新庄はチャラ男と思われがちだが、現場にはやる気が伝わっていると思う。日本ハムのキャンプは楽しみだよ。中畑:同じパではソフトバンクで二軍監督の藤本博史が昇格したね。達川:南海からの生え抜きで打撃コーチもやった。引退後に3年くらい居酒屋をやっていて、接客経験があるからか選手とのコミュニケーションが上手い。柳田(悠岐)のハートもすぐに掴んだよね。江本:巨人もコーチ陣を居酒屋へ研修に行かせたほうがいいんじゃないか。中畑:オレの理想で言えば、監督はお飾りでいいんだよね。あとはヘッドコーチがスタッフ含めてみんなを動かしてくれる。達川:僕はソフトバンクでヘッドをやりましたが、工藤(公康)監督からは「好きなようにやってください」と言われた。監督はゲームが始まってからの采配での決断だけ。二軍から上げたり落としたりと雑用がたくさんあるが、それはヘッドの仕事。「監督には言わないから」と選手からケガの状態や本音を聞き、場合によっては監督の耳にも入れる。ヘッドはもう一度やってみたいよ。勝ち負けの責任は取らないし、やりがいがあるからね。江本:ソフトバンクはコーチがコロコロ変わる。達川:王(貞治)会長が新陳代謝を狙うというか、長期政権を嫌うんです。工藤監督は7年続きましたが、その間に投手コーチだけで5人も変わった。藤本監督は、工藤監督の後だと特にいいと思う。何事もきっちり決める工藤監督と正反対だから新鮮になる。新庄の日本ハムには高い壁でしょう。(第3回につづく。第1回はこちら)【プロフィール】江本孟紀(えもと・たけのり)/1947年、高知県生まれ。1971年に東映入団。1972年に南海へ移籍しエースとして活躍。阪神に移籍し、1981年の引退後は参議院議員、タレントとしてもマルチに活躍。中畑清(なかはた・きよし)/1954年、福島県生まれ。1976年に巨人入団。ムードメーカーの「絶好調男」としてチームを引っ張った。引退後は2012~2015年にDeNA監督を務めた。達川光男(たつかわ・みつお)/1955年、広島県生まれ。1978年、広島に入団し正捕手として活躍。引退後は広島監督や阪神などでコーチを務め、ソフトバンクでヘッドコーチとして日本一に。※週刊ポスト2022年1月14・21日号
2022.01.07 16:00
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