常磐道で芸能人自動車レースを開催して、茨城県警から事情聴取されたこともあります。そのときに刑事の格好していったんですよ、ウケると思って。怒られましたけど。取調室いって何したら面白いかなとか考えちゃうくらい、頭のネジが外れていたんです。その分、始末書もいっぱい書きましたけどね。
バブル期の制作現場を全て是とするつもりはまったくなくて、もちろんやり過ぎも多々あったと思います。テレビは時代と添い寝するメディアだからね。令和には令和に寄り添った番組の作り方があるんです。たとえば優秀な芸人さんはいまたくさん出てきているでしょう。バブル時代のタレントさんは将棋の駒だった気がしますけど、いまは各々が「王」になっている。演出家には、彼らの良さを引き出す「プロデュース力」が問われている時代だと思いますね。昔は「早朝バズーカが面白かったね」と企画やネタが受けたけど、最近は「あのタレント面白いよね」になってますから。名伯楽っていうのかな。そういうテレビマンがこれから活躍していくんだと思います。
それにいまはネット配信とかいろいろあるから、テレビは選択肢のひとつでしかない。でも、だからこそ制作側は慎重になりすぎないでほしいんだよね。それじゃメディアの主役にはなれない。コンプライアンスギリギリのところをうまく乗り越えて、バブル時代を超えるような面白い番組を作ってほしいですね。