茂木敏充・幹事長(時事通信フォト)

茂木敏充・幹事長(時事通信フォト)

 キングメーカーの麻生太郎・自民党副総裁も振られた。

 安倍晋三・元首相はまだオバマ政権の末期に訪米し、大統領選に当選した共和党のトランプ氏と主要国の首脳の中で最初に会談、それをきっかけに緊密な関係を築いた。

 そこで麻生氏は安倍氏の“二番煎じ”を狙った。まだ大統領選の予備選が始まる前の今年1月中旬に訪米し、トランプ氏との面会を調整したのだ。ところが、日程が合わなかったと報じられた。

「バイデン政権から“政敵に擦り寄っている”と警戒されるだけの結果になった」(自民党幹部)

 日米関係や安全保障が専門で『トランプ後の世界秩序』(東洋経済新報社)などの著書がある川上高司・拓殖大学教授は言う。

「麻生氏としては、安倍氏亡き今、自分がトランプ氏との橋渡し役を務めようと考えたのでしょう。しかし、バイデン政権下で訪米までしたのに会えなかった。今回は入り口にもたどり着けなかったわけです。それに安倍氏は会談でトランプ氏を持ち上げながら親交を深めたわけですが、麻生氏はサシで会えたとしても、ゴマすりは苦手なのではないか」

 トランプ氏に相手にされないとなれば、キングメーカーの地位も危うい。

強い信念を持った政治家に期待

 そんな中で、川上氏がトランプ氏と渡り合える政治家として名前を挙げるのは、自民党内に支持が広がらず、首相レースに出遅れていると見られている高市早苗・経済安保相と河野太郎・デジタル相だ。

 トランプ氏の基本姿勢は「米国第一主義(アメリカファースト)」で米国の経済、国力を上げることが最優先であり、同盟関係は軽視。再登板すれば、日本に「武器を買え」「在日米軍の駐留経費をもっと負担せよ」という前回の要求を繰り返すという見方が強い。川上氏の分析だ。

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