「富士通レッドウェーブ入団後はポジションが変わり、なかなか芽が出ず苦しんだ時期が長かった。彼女は得点をバンバン取るタイプではなく、リバウンドやつなぎ役など、目に見えにくいところで体を張る縁の下の力持ちです。それでいて内に秘めた負けん気が強く、思うようにいかない自分が悔しくて、試合中に涙することもあったそうです」
ひたむきな努力が実り、富士通レッドウェーブ在籍中に日本代表候補にまで上り詰めたが、惜しくも夢だった代表入りは叶わなかった。そして田中さんは、東京五輪(2021年)で日本代表が初の銀メダルを獲得したのを見届けた後、2023年をもって現役を引退した。中学時代からまさにバスケ漬けの日々を送った田中さんは、「人柄のよさ」でも知られている。
「誰とでも自然に仲よくなれるタイプで彼女のことを悪く言う人はいませんよ。フットワークが軽く人づきあいがいい一方で、ひとりで過ごす時間も大切にする人で、よく本を読んだり散歩をしたりしていました。コロナ禍には自炊を楽しんでいましたね。
バスケだけでなく彼女の兄が展開するアパレルブランドやファッション誌のモデルも務める“二刀流”で活躍していました」(前出・田中さんの知人)
「大谷の妻」として、田中さんの今後の活動にも注目が集まりそうだ。