4月1日の静岡県庁における新人職員に対する訓示、川勝知事は批判を受けた4月2日、記者団に対して、
〈不適切だと思っていなかった〉
〈傷つけたことについては、私の心も傷ついています〉
〈メディアの切り取り〉
とした上で発言の撤回を否定するが、6月の定例県議会をもって辞職するとした。県によれば2日午後5時までに電話やメールなどで430件の批判、この2日の発言によってさらに炎上、5日午後5時までに電話やメールなどで2400件を超える批判が寄せられた。
元大学教授が語る。
「メディアをかばうわけじゃないけど、この発言に限ればまったく切り取りじゃないよね。むしろメディアは忖度してきたんじゃないかな。これが自民党系の知事ならそうはならないでしょう」
メディア側としての身内かばいでなく筆者もそう思う。旧民主党系であることが川勝知事を特定団体やメディアが支持してきた理由にあることは確かである。
しかし今回の一連の発言、どこを切り取っても残念ながら、である。そもそも一連の会見はメディア各社がYouTubeにノーカットで上げている。切り取りはバレる。
また川勝知事の「不適切発言」は今回だけでなく、とくに2021年の御殿場市に対する〈あちらはコシヒカリしかない〉発言は県議会で辞職勧告決議が可決され、12月の給料とボーナス合わせて440万円を返上することになった。にもかかわらず、のちにその約440万円を返上していなかったことが発覚、50年ぶりの不信任決議案が提出され、1票差で否決という事態となった。
直近でも3月、磐田市の女子サッカークラブのメンバーに対して〈磐田は文化が高い、浜松よりも高かった〉と発言して揉めたばかりであった。まして〈発言した通りです〉として、
〈磐田に聖武天皇が東大寺を造られて、そのあと国分寺、国分尼寺に作られたわけですね。ですから、それぞれの一番の中心地にですね、国分寺を造ったわけです。それが磐田ですね〉
と述べた。正直「釈明すべきはそこじゃないだろう」と思うが、その舌先乾かぬうちの発言が4月1日、八百屋(野菜を売るという意味ではスーパーなどの小売、生産農家も入るか)や酪農家やものづくりの人々に比べて県庁の新人は〈頭脳、知性の高い人たち〉だった。