賃上げで国民負担率は上げないという趣旨の説明も噴飯ものであった。岸田政権、さすが支持率16.6%(時事通信、4月)である。
また直接の担当大臣である加藤鮎子こども大臣も月300円だの、月400円だの、1000円超える人もあるかも、あくまで500円弱は平均、だのと迷走したあげく岸田首相と仲良く「嘘つき」になった(官僚のペーパー棒読みの予防線がまた姑息である)。「歳出改革により負担を軽減」するともしたが、具体的な話はない。ちなみに「こども政策担当大臣」が正式名だがまあ、いいだろう。こども大臣、こども店長みたいでお似合いに思う。いや、聡明なこども店長に失礼か。
負担の割合も徴収方法(中間業者の利権も含め)も問題だらけの「嘘つき」増税になってしまった「子ども・子育て支援金」制度、こども家庭庁に行くと「こどもまんなか」と書かれたキャッチコピーがお出迎えしてくれるのだが、何が凄いって結局のところこの「子ども・子育て支援金」、肝心のこども置き去りでちっともこどもは「まんなか」にない。「じみんまんなか」とか「りけんまんなか」なんて揶揄するつもりはないが、子どもがまんなかでないことはこれまでの「異次元の少子化対策」同様、確かなように思う。
せっかくアメリカに「国賓」として招かれたのに嘘つき呼ばわりのあげく「岸田やめろ」がX(旧Twitter)トレンド入りの岸田首相、それでもご満悦でバイデン大統領とのツーショットを見ると彼の脳内で「きしだまんなか」は確かなようだ。
【プロフィール】
日野百草(ひの・ひゃくそう)/日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経て、社会問題や社会倫理のルポルタージュを手掛ける。