ライフ

くじらの数多く、いかが食われ過ぎて現在ダントツの不漁

 今シーズンはさんまやいかが少なく、いわしが豊漁!“とニュースなどで伝えられていたが、その後はどうなっているのだろうか。

「去年はいわしが不漁だったけれど、今年は大型の真いわしが豊漁だから、ずいぶんと安くなっています。さんまは摂氏22度以下の水温を好む魚だから、今年は海水温が高くて不漁だったけど、もう大丈夫みたいよ」と、創業60年の鮮魚店「魚梅」(東京都練馬区)店主・山木佳万(よしかず)さん。また、漁業情報サービスセンターの本田修さんによると、

「この夏、海の深いところの温度は例年通りでしたが、日本近海の表層部分の温度が例年より摂氏3-4度高くなっていた。こんなことはここ10年来ありませんでしたが、その影響で低い温度が好きなさんまなどは、春先には水温の高くない沖合に北上していたようです。

 しかし、先日の台風12号が海の表面をかき混ぜ水温が下がってきたので、9月末ごろからさんまも戻ってきています。一方、温かい水温を好むいわしは8月に豊漁で、ぶり、さわらなど、本来は暖流に乗って移動する魚は継続的に広範囲でとれています」

 とのこと。しかしこの秋、ダントツで不漁なのが、「いか」らしい…。

「特に回遊する、するめいかが不漁です。海水の温度上昇のほか、最近は、くじらをとらなくなって、くじらが大好物のいかを大量に食べてしまっているのも一因じゃないかな」と山木さんは分析するが、本田さんもそれが一因だと語る。気候以外にもさまざまな変化が関係しているようだ。

 ちなみにこれから冬にかけての魚について、本田さんに尋ねてみると、「水温が下がったので順調にとれると思います。ただ、水温の変化で産卵場所などが変わっていることも考えられるので、来年以降の変化については不明です」とも。異常気象の影響は忘れたころ、食卓に表れるのかも。

※女性セブン2010年10月28日号

関連キーワード

トピックス

あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン