ライフ

「接遇」の平林都さん 大学進学できなかったことバネに躍進

「都に頼めば売り上げが伸びる」という伝説を生んだ接客、接遇の極意を説いたベストセラー『平林都の接遇道』の続編『平林都の接遇道2 極意編』(大和書房 1365円)をこのほど出版した平林都さんが、接遇の道を志すきっかけについて語った。

 行儀作法を説く人といえば、一般には茶道の家元など家柄を誇る人が多いが、  「私には誇るものが何もありませんでした。それどころか、生まれてすぐに母と別れて、年の離れた姉や叔父叔母、近所の人に面倒をみてもらったんです。もの心ついたときから、どうしたらこの人たちに好かれ、かわいがってもらえるか、と心を砕いていました」 

 母のいない平林さんが泣いても、誰もかまってくれない。それならば、笑顔でいよう。やりたくないこともすばやくやって、少しでも快く接してもらおうと考えたのだ。 

「高校卒業後は、あらゆるお稽古事をしました。茶道、華道、着付け、料理、話し方…。そんなに勉強好きではなかったのですが、経済的に大学に進学することができなかったので、その悔しさをバネに、進学した友人に負けない教養を身につけようと決心したんです」   

 これらの稽古事は、ひとつを極めるのではなく、同時にいくつもの流派や教室に通い、技術を深めていった。 

 「このとき悟ったのは、上達しても、決して“天狗”になってはいけないということ。女の人って、お料理でもなんでもうまくなると、“ほら、私はこんなに上手なのよ。私のお料理おいしいでしょ”とつい自慢するんですね。

 でも、自慢した時点で、進歩は止まります。   反対に、“私は何もできない。知らない”といっているほうが、周囲の人は好意を持って面倒を見てくれます。それが、上達にもつながる。いかに自分を殺して出すぎたまねをしないか、それも女性には必要なのです」

※女性セブン2010年11月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト