国内

菅総理側近「総理は来年、消費税引き上げで堂々勝負出る」

 財務官僚に挑発されても何もできない菅政権の無能さが混乱を招いている。こういう政権が税制をいじるのは危険である。象徴は消費税だ。官僚に尻を叩かれた菅側近はこんな言い方をする。

「消費税引き上げから逃げているという印象を与えると、支持率はますます下がるし、財源なきバラ撒き政治だと国会で批判される。来年の通常国会では堂々と引き上げを打ち出して勝負に出る。最近、総理が財界首脳にもそう伝えた」
 
 これで啖呵を切ったつもりだから呆れる。それで喝采するのは、せいぜい財務事務次官の天下りを受け入れ、社説で「消費税を上げよう」と煽っている読売新聞くらいだろう。「財源を見つけて来い」と官僚にスゴまれたことで、自民党以上に「取りやすいところから取る」という発想が目立っている。

 給与所得控除の削減など考え違いも甚だしい。給与所得控除とは、事業経費が認められないサラリーマンに対する「見なし控除」のことである。その額を論じる前に、「10・5・3(トーゴーサン)」と呼ばれる“隠れ免税”を改善すべきだろう。サラリーマンは所得の10割をガラス張りで捕捉されており、1円たりとも節税の余地はない。これが自営業者は5割、農家は3割しか捕捉されないため、実際の所得に比べて税額は少ないとされる。

 農家がハワイ旅行に出かけて「果樹園視察」と称し、商店主がベンツを「配達用」と申告している実態を見れば、「サラリーマンの経費」を圧縮しようという考えがいかに不公正かは明白だ。矢継ぎ早に出てきた「たばこ増税」「第3のビール増税」「ペット税」「軽自動車増税」なども同じ発想だ。

※週刊ポスト2010年12月24日号

関連キーワード

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
イメージカット
「有名人なりすまし広告」の類に“騙されやすい度”をチェックしてみよう
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン