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夏場の電力危機 半袖開襟スタイル、うちわで乗り切ろう

 4月一杯でいったん終了する見込みの計画停電は、電力需要が再び高まる今年の夏、さらに冬にも実施されるのは確実だ。

 計画停電下での大きな節電効果は、需要の4割を担う各家庭の努力も大きい。しかし、テレビでたまに聞かれる「東北で寒い思いをしている被災者のために関東の人が節電を」という呼びかけはまったくの誤解だ。東北のほとんどの被災地は東電の管轄外である。支え合いの気持ちは大切だが、あくまで一人一人の問題とまず自覚したい。

 また、照明をこまめに消す努力を否定するつもりはないが、ろうそくの火で生活する必要はもちろんない。テレビがあおる過度な節電ムードは文字通り心を暗くし、消費マインドも冷やす。電力需要はあくまでピーク時を意識することが重要。今の季節なら午前9時と午後6時だ。

 職場や家庭でどう対策すべきなのか。生活研究家・阿部絢子氏が説く。
 
「熱を出す電気機器の使用を控えめにしましょう。代表的なのはエアコン、電気ストーブ、こたつ、炊飯器、温水便座など。鍋で米を炊くなど、ガスで代替できるものは電気を使わないほうがいい」

 仮に使用するにしても、ピーク時を避けるのが鉄則。アイロン掛けなどは夜中にやればいい。今後の問題は夏場をどう乗り切るかである。寒さは着込むことでしのげるが、暑さには冷房に頼らざるを得ない。阿部氏がこう語る。

「サラリーマンは沖縄のかりゆしウェアのように半袖開襟スタイルにすべきです。団扇、扇子を携帯し、保冷剤で首筋を冷やすと効果的。エアコンの温度は高めにし、扇風機を使って空気を循環させてください」

 ある経済評論家は、ユニークな提案をしてくれた。

「ピークの時間帯はなるべく外出して公共施設やカフェなどで涼をとるのはどうでしょうか。家庭の電力を抑えられるし、経済にも貢献できる。一石二鳥です」

 一致団結できる国民性がわが国の誇りだとこの大震災でよくわかった。国民一体の努力できっと“実りの秋”を迎えられるはずだ。

※週刊ポスト2011年4月8日号

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