国内

宝塚音楽学校の泥沼いじめ裁判 コンビニ万引騒動が引き金に 

宝塚音楽学校では一昨年、前代未聞のトラブルが起きている。“清く正しく美しく”という校訓とはかけ離れた泥沼の“いじめ裁判”だ。

いじめがあったのは、昨年3月に卒業した第96期生。彼女たちは2008年4月に宝塚音楽学校に入学したのだが、そのなかのひとり、A子さん(19)は入学からわずか半年後、万引行為などを理由に学校側から退学を通告される。

A子さんは事実無根を主張して、神戸地裁に退学の取り消しの仮処分を申し立てた。2009年1月に、地裁は退学処分を無効とする決定を出したが、学校側は再び退学処分を通知。これに対してA子さんも再び退学取り消しの仮処分を申請。これも認められたにもかかわらず、学校側は退学を取り消さなかった。その後1年にわたって、話し合いが続けられたが、平行線をたどり、ついにA子さんは2009年11月に退学処分の取り消しと1000万円の慰謝料を求めて裁判を起こしたのだった。その裁判のなかで明らかになったのが、A子さんへの同期生からのいじめの数々だった。

きっかけは入学直後の2008年5月、ネット上に、予科生(音楽学校1年生)の中で<1番美人なのはA子さん>という書き込みがあったことだったという。

A子さんの洗濯物がゴミ箱に捨てられたことから始まり、6月には、彼女の寮の自室のベッドに「寮内で紛失した」とされる複数の品が並べられていた。どれも身に覚えのない品だったというが、彼女は窃盗の容疑をかけられた。

また夏休みに帰省したA子さんは地元テレビ局から取材を受け、思わぬ形で番組に出演。これは、重大な校則違反だと同期生から「実家へ帰れ」「死ねばいいのに」といった言葉を浴びせられたという。

そして退学の直接的な原因となったのが、同年9月の万引騒動だ。学校帰りに同期生ふたりとコンビニに行ったA子さん。このときにA子さんが万引をしたと同期生が告発。A子さんは「疑うなら店の防犯カメラを見てください」と主張したが聞き入れられず、9月末からの修学旅行への参加も許されないまま、11月に退学処分を通告されるのだ。

裁判は昨年7月、学校側が2度の退学処分を取り消し、A子さんの卒業資格を認める代わりに、A子さんが宝塚歌劇団への入団を求めないことで合意して調停が成立した。学校側からの謝罪や慰謝料支払いの有無については、非公表とされた。

※女性セブン2011年4月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン