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本屋大賞『謎解き…』著者「執事の正体は明かさないつもり」

本屋大賞授賞式での東川篤哉氏

 全国の書店員が、今いちばん売りたい本を投票で選ぶ本屋大賞。今年の大賞に、東川篤哉氏の『謎解きはディナーのあとで』(小学館刊)が選ばれた。財閥令嬢で刑事の宝生麗子と、長身でイケメンだけど毒舌という執事・影山のコンビが、殺人事件をテンポよく解決するユーモアミステリーだ。

 作品の面白さは、なんといっても令嬢と執事の掛け合い。執事を登場させたことについて東川氏は「執事喫茶が流行っていることを耳にして思いついた。ホームズとワトソンのように探偵小説には相棒が必要。執事がお嬢様に仕えると考え、自然に決めた」そう。

 売り上げも好調で100万部を突破。「推理ものにはないおしゃれさ、女性向けに書き上げたことが受け入れられた」と東川氏は分析するが、書店員は「世間知らずの令嬢と『ございます』口調なのに上から目線の執事の生意気さ、アンバランスな名コンビを表現したところが読者の心に響いた」と称賛する。

 東川氏は「今後も自分にはミステリーしか書けないし、皆さんが興味をお持ちの執事の正体も、明かさないつもり」という。

撮影■丹羽敏通

※週刊ポスト2011年4月29日号

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