国内

放射能測定器 現場では10万円以下の外国製はおもちゃ扱い

 緊迫した作業が続いている福島第一原発。フリーライターの鈴木智彦氏が、福島第一原発で実際に作業員として働きながら、現場の放射能汚染対策についてリポートする。

 * * *
 4月頃は、放射能を測定するサーベイメーターの不足が深刻だった。放射能パニックによって多くの一般人が購入したため在庫が一掃され、本当に機器が必要な業者まで回らなかったのだ。サーベイメーターとは放射線測定装置の総称で、テレビニュースでよく観た映像――完全防護服を着込んだ係員が、コードで繋がれた筒状の機器を持ち、フルノーマル(業者はマスクなしの私服をこう呼ぶ)姿の住民の体に当て、被曝線量を測る機械がそうである。なにを計測しているかといえば、1分当たりのカウンター数で、単位はcpmが使われる。

 今回の原発事故で広くその名が知れ渡ったガイガーカウンターもこの一種で、ガイガー=ミュラー計測管(GM管)を使っているためそう呼ばれる。ガイガーカウンターは性能も値段もピンキリで、4万円から10万円程度の外国製は、気休め程度の性能と割り切ったほうがいい。私が買った6万円の中国製は1Fの正門前で針が振り切れた。

「そんなおもちゃ捨てちまえよ」

 業者に笑われゴミ箱に捨てたが、彼曰く、「正確な測定のためには、測定器を定期的に測定して補正せねばならず、まともなGMサーベイメーターなら最低、30万円はする」らしい。

 後日、私が購入したのは日立アロカメディカル社(以下アロカ社)製のTGS-146Bという機種で、36万円だった。私が就職した企業が所有している機器もアロカ社製だし、4月21日、最初に1F正門前に出向いた後、サーベイを受けに出かけた放射線医学総合研究所でも、「コストを考えないならアロカが一番のオススメ」と教えてもらった。

※週刊ポスト2011年6月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン