ライフ

自宅で「-60度の極寒の世界」を実現も猛暑対策にはならず

実験に挑戦する八田亜矢子さんと岩藤英司先生

いよいよ夏休みシーズン突入!……というわけで思い出すのが小学校時代の夏休みの自由研究だが、いま「大人の自由研究」が話題になっている。どこにでもあるもので手軽に科学の威力を実感でき、しかも子供に「すごい!」といわせる優れもの。その中のひとつとして、『大人のワクワク実験 インドア編』(小学館)にも収録されている「-60度の極寒の世界」を紹介しよう。

* * *
【物質を混ぜ合わせて低温を作り出す「寒剤」とは?】
2種類以上の物質を混ぜ合わせる事によって低温を作りだすものを化学の世界では「寒剤」と呼ぶ。代表的な寒剤の組み合わせと理論上の温度は以下の通りだ。

■水×食塩=水の温度を2.5度低下させる
■氷×食塩=-21.5度
■塩化マグネシウム×氷=-33度
■エタノール×ドライアイス=-72度
■エーテル×ドライアイス=-98度

というわけで自宅でマイナス‐72度に挑戦するわけだが、用意する材料は以下の通りだ。

■エタノール(アルコール分96%のウオッカでもOK)
■ドライアイス
■-72度まで計測できる温度計
■鍋
■金槌
■菜箸
■軍手
■新聞紙

【「極寒の世界」を作る手順】
まず「軍手」をする! これが唯一といっていいほどの(?)大切なこと。ドライアイスは素手で触ると低温火傷や凍傷の恐れがある。絶対に軍手着用で! で、鍋の半分ぐらいにエタノールを注ぐ。次に新聞紙を数枚敷いた上にドライアイスを置き、金槌で細かく砕く。このドライアイスを鍋の中に投入する。たったこれだけで自宅で極寒の世界が生み出されるのだ。ただし、それは鍋の中限定……。おそらく猛暑&節電対策にはならないだろう(笑い)

東京学芸大学附属高校教諭で『大人のワクワク実験』の著者、岩藤英司先生が語る。

「理論上は-72度になるのですが、室温などの影響を受けます。とはいえ-60度前後にはなるでしょう。鍋の中にバナナやキウイフルーツ、薔薇の花びらなどをいれると凍った果物や花が瞬時に出来あがります。お子さん奥さまに受ける事を確約します」

最後に軍手以外の注意点を一つだけ。ドライアイスは気化すると二酸化炭素を発生させる。換気には十分は注意して「氷の世界」を楽しんでほしい。

撮影■太田真三

関連記事

トピックス

騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
谷本容疑者(35)の地元を取材すると、ある暗い過去があることがわかった(共同通信)
「小学生時代は不登校気味」「1人でエアガンをバンバン撃っていた」“異常な思考”はいつ芽生えたのか…谷本将志容疑者の少年時代とは【神戸市・24歳女性刺殺】
NEWSポストセブン
ロシアで勾留中に死亡したウクライナ人フリージャーナリスト、ビクトリア・ロシチナさん(Facebook /時事通信フォト)
脳、眼球、咽頭が摘出、体重は20キロ台…“激しい拷問”受けたウクライナ人女性記者の葬儀を覆った“深い悲しみと怒り”「大行列ができ軍人が『ビクトリアに栄光あれ!』と…」
NEWSポストセブン
大谷の「二刀流登板日」に私服で観戦した真美子さん(共同通信)
「私服姿の真美子さんが駆けつけて…」大谷翔平が妻を招いた「二刀流登板日」、インタビューに「今がキャリアの頂上」と語った“覚悟と焦燥”
NEWSポストセブン
V-22オスプレイ
《戦後80年・自衛隊の現在地をフォトレポート》中国軍の脅威に対抗する「南西シフト」の最新装備 機動的な装輪車、射程が伸びた長距離ミサイル
週刊ポスト
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
《前科は懲役2年6か月執行猶予5年》「ストーカーだけでなく盗撮も…」「5回オートロックすり抜け」公判でも“相当悪質”と指摘された谷本将志容疑者の“首締め告白事件”の内幕
NEWSポストセブン
硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン