国内

震災報道で民放が遅れとったのは文系ばかりだからと露木茂氏

東日本大震災報道では、NHKの報道が民放を圧倒したとする意見が目立った。何が違ったのか? 元フジテレビアナウンサーの露木茂氏がその理由を分析する。

* * *
震災報道を外側から見て感じた「民放報道の弱点」は“自分の苦手分野を忌避する”姿勢でした。たとえば、「ミリシーベルトとは何を示す単位で、基準値を超えた場合にどうなるのか」という視聴者が知りたいことに対して、安心感や信頼感のある説明のできるキャスターや記者が皆無でした。

新聞やNHKには科学的な知識を持つ理系出身者や、文系出身者であっても科学分野を地道に勉強してきた記者がいて、彼らは専門家の意見を拝聴するだけでなく、視聴者の不安や疑問を掬い取って専門家に問うたり、自ら解説したりしていた。

民放の報道番組の場合、スタッフの大半が文系出身のためか、理系分野に苦手意識があります。また、政治や事件などの華やかな分野の話題ばかりが重視されるため、地味な科学分野の取材を避けてきたことも否めません。それではいくら津波被害の凄まじさや原発事故で避難する住民のレポートをしたところで、視聴者が求める報道にはなりません。

私の現役時代も、原子力船「むつ」や日航機事故などの事件では、自分なりに関係する科学的知識を勉強してきたつもりですが、そうした姿勢が足りないことを真摯に反省すべきだと思います。

テレビ離れが指摘されていますが、野村総研の調査では「ネットよりテレビから情報を得ている国民のほうが多い」という。記者やキャスターが「報道とは視聴者に事象をわかりやすく伝えること」という原点に立ち返らなければ、そうした期待が失望に変わっていってしまいます。

※週刊ポスト2011年8月19・26日号

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン