スポーツ

元阪神の川藤幸三氏 いま一番気になる選手は阪神・金本知憲

「浪速の春団治」元阪神の川藤幸三インタビュー

「ワシが川藤や!」。代打一筋19年、「浪速の春団治」といわれた元阪神タイガースの川藤幸三さんの爆笑インタビュー。最終回は「川藤、TUBEのコンサートで歌う!?」。(聞き手=神田憲行)

*  * *
――いま、一番気になる選手は誰ですか。

川藤:うーん、やっぱりねぇ、金本(知憲・阪神タイガース)やねえ。金本はいま自分の最後の野球人生かけた、最後のもがきをやっとると思うんやね。これはベテラン選手になっていよいよ近づいてきたかなと感じだしたときに、人にはわからない葛藤というものがあるんですよね。

金本ぐらいになると監督や社長が肩叩くというのはできんのですわ。引退していく、いかんというのはあいつの個人のことやから。あいつの腹でしか決められん、自分で切腹するしかない。介錯も誰もいない、まあいうたらね竹光で自分の腹を切るといっしょやからね。歯がゆくて歯がゆくてしょうがないと思います。

――シーズン終盤になると、ベテランの気持ちは、川藤さんに痛いほどわかるでしょうね。

川藤:ワシがいつもいのうは「簡単に腹切るもんやないぞ」。自分から辞めるな、ということやね。ワシはプロ野球生活19年をずっと補欠で生きてきた選手やから、金本みたいなスターとは立場が違う。スターは晩節を汚さんようにとか、いろいろ先を見据えた辞め方もあるやろうけれど、ワシら実績のない人間は1年でも長くこの世界で生きていきたい。このインタビューの最初で実社会とプロ野球の共通点として「生き抜くことの大切さ」を言うたけど、それや。

(このインタビューは9月17日、阪神甲子園球場で行われたTUBEのコンサートで川藤さんに用意された控え室で行われた。川藤さんはコンサートにサプライズゲスト出演して「六甲おろし」を歌うのだ。川藤さんの後ろのハンガーには現役時代の背番号「4」のユニフォームがかかっていた)

川藤:これか? ユニフォームきてくれいうから持ってきたわ。コンサートに出さしてもらうなんて初めてやて。そら緊張してるやん(笑)。ガタガタしとるわ(笑)。まあ、いろんな経験をさしてもろとる。こういう場を与えてもらえたというだけで有り難いことや。そしたら精一杯やる。これも生き抜くがための、有り難いことなんですよ。

【川藤幸三さんプロフィール】
1949年、福井県生まれ、62歳。福井・若狭高からドラフト9位で阪神入り。現役生活19年のほとんどを代打家業で送り、85年の阪神日本一にも貢献した。生涯安打数211、本塁打数16。現在はプロ野球評論家と建設会社社長という二足のわらじを履く。最新刊に「代打人生論~ピンチで必要とされる生き方~」(扶桑社新書)

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン