ライフ

住宅ローンの借り換え 金利差0.5%以下で効果ある場合も

 ローンを払えず、マイホームを手放す人が増えている。さらに、景気の低迷に加え、復興増税も検討され、家計への負担が重くのしかかってきそう。そこで賢くローンを返済するために効果的なのが「借り換え」だ。

「この不況で夫の会社の業績が悪化して給料が下がる一方で…。月々のローンの支払いが心配でしたが、借り換えで負担を減らすことができました」

 と、話すのは主婦のA子さん(42)。金利3%の固定金利型で住宅ローンを組み、ローン残高が2000万円、返済期間は20年あった。毎月返済額は11万920円。しかし「より有利なローンにしたい」(A子さん)と、借り換えをすることに。結果、月々の返済額が10万5981円になり、総返済額を約90万円減らすことができたという。

「借り換えも20年の固定金利選択型を選んだので、将来的に金利変動のリスクを考えずに済むので安心です」(A子さん)

 現在借りている住宅ローンよりも低い金利のローンを選べば、月々の返済額や利息を減らすことができ、現在よりも返済が楽になるのが借り換えの魅力。低金利の長期固定金利型であるフラット35(保証型)も利用できるが、返済期間が限りなく35年に近いものの借り換えでなければメリットが出ないので注意。『住宅ローンは55歳までに返しなさい!』(アニモ出版)などの著書がある住宅ローンアドバイザーでファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんが解説する。

「借り換えで効果を生むためには、金利差1%、返済期間10年以上、ローン残高1000万円以上が目安といわれてきましたが、金利については、いまは金利引き下げが大きくなったり、保証料や団信保険料の負担のないローンが登場したりしているので、金利差が0.5%以下でも借り換え効果が出る場合がありますので、試算するのがいちばん。

 また、借り換えの場合、繰り上げ返済と違って手元の預貯金を使わずに済むのもメリットです。将来の収入に不安がある人やこれから子供の教育費などがかかる人にとっては、手元の預貯金を減らすのは不安ですから」

 借り換えを検討する場合に気をつけたいのは、費用がかかるということ。フラット35(保証型)のように保証料が無料のものや、民間住宅ローンでも団信保険料の負担がないものもあるが、一般的には民間住宅ローンの場合、事務手数料や登記手数料、保証料、団信保険料などの借り換えコストを考慮し、借り換え効果をシミュレーションすることが大切。豊田さんはいう。

「借り換えの手続きには1~2か月程度かかるので、金利の動きを見ながら借り換えたいと思っても、実行時期の金利とタイムラグが生じることも覚えておきましょう」

※女性セブン2011年10月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン