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2011.11.28 07:00  SAPIO

櫻井よしこ氏 人の命を虫ケラと見なす中国の価値観は変わらず

急成長を続けてきた中国が、それを原動力に軍事力を拡大し、東アジア諸国に攻勢を強めてきたのは周知の通りだ。だが中国が今後バブル崩壊などで経済的に危機に陥ったとしても、彼らは決してその手を緩めるわけではない。まずターゲットになっているのが台湾だ。来年1月の総統選を控え、台湾海峡の波は、少しずつ高くなっているとジャーナリストの櫻井よしこ氏は指摘する。

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中国が2040年までに達成しようと目論む大戦略は西太平洋とインド洋から米海軍を排除し、同海域に中国の覇権を確立することです。その幕開けとなるのが台湾の併合です。

地図を広げてみれば、台湾が南シナ海の北の出入り口にあたることがよくわかります。東シナ海と南シナ海はもちろん、中国は西太平洋とインド洋という2つの海を支配する最初のステップとして、台湾をきっちり、自分のものにしようとすると思います。逆に日米及びアジア諸国にとっては、中国に排除され、従属を強いられかねない時代への第一歩が、中国による台湾併合だと言えます。

中国が経済的危機に陥れば、軍事力の増強など覇権の拡大にもブレーキがかかるだろうと見るのは、誤りです。

米国は、財政赤字により軍事費を大幅に削減しました。しかしそれは、国際ルールや財政規律を守り、福祉など国民の幸福を考えなければならない「民主主義国家」の考え方であって、中国の理論はまったく異なります。

中国は自国の経済や財政がどんなに悪化しようと、そのために国民がどんなに不幸になろうと、覇権拡大に向けた動きは絶対に止めないと言ってよいでしょう。かつて毛沢東はソ連のフルシチョフに米国への核攻撃をけしかけ、「わが国の人口は6億人だから、核戦争でたとえ半分の3億人が死んでも、まだ3億人が残る」と言いました。

今年7月の高速鉄道事故の処理の仕方を見ても、人間の命を虫ケラのそれのように見なす中国共産党の価値観は、何ら変わっていません。

※SAPIO2011年12月7日号

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